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 イレッサ薬害被害者の会

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抗がん剤イレッサ騒動記
私たちは、このイレッサの副作用被害を,医療過誤としてでなく薬害被害として追及し責任の所在を明確にすることで今後のがん治療の改革に役立てばと行動しています。
画期的な夢の新薬として販売された「分子標的薬・イレッサ」により重篤な副作用被害が起きたことは事実で、死亡被害数が多すぎることも、覆い隠すことは出来ない事実です。製薬会社のアストラゼネカ社は、法廷の中で、「効いていると言う患者が何人も居る」、と主張してこのイレッサの必要性を強調し、・・だから、多少の死亡被害は免責されてしかるべき・・、と主張していますが、起きた被害と原因の調査、個々の被害状況等については何一つ実態調査は行わず、また明らかにせず、自社を守ることのみに奔走して、医療の信頼性や患者の命を守る社会的使命など微塵も感じられません。

死亡した患者に対しては、・・お気の毒ですが抗癌剤治療では当たり前に良くあることですといとも簡単に処理しながらこの抗癌剤では 「こんなに効いている患者が多く居る」、と必要論のみ主張して法廷の場に被害者の遺族と使用患者とを対立させるような動きもあると聞こえてきます。もし、このようなことが実行されたなら何と酷いことでしょう。国が医薬品として承認した薬ですから、何百人、何千人の使用患者の中には、著しい効果を表す患者が何人もいるのは当然の事で、だからと言って販売開始から僅か半年で死亡者が175名、訴訟を起こすまでの2年5ヵ月までに557名にも及んだ、このいちどきに集中して発生した被害に対する免責理由にはなりません。
私たちが問題にしているのは以下の点についてです。
医薬品は国の承認を受けるまでは広告・宣伝は一切禁止されているにも関らず、承認前から多くの専門家を使って、延命効果の大きい夢のような新薬・・などがん患者であれば必ず飛び付くような誇大な宣伝を行ったのか
治験の段階から、重篤な副作用死亡が多く発症するとのデータが出ていたにも関らず、国への承認申請でこの事実を伏せ承認を受け、そして添付文書にも記載しなかった。
副作用による死亡多発にも関らず製造・販売会社のAZ社では、「従来の抗がん剤と比較して危険率は変わらないので動揺しないで服用を続けても大丈夫です・・」、などと言った無責任な対応をとり続けたのか。
現に、副作用被害が発症して後、この問題の処置に精通した医師に掛かっていた患者の中には、救命された事実があることを思えば、速やかな対策と対応で相当数の患者を救うことが出来たはずです。この時に救われた患者の中には3年経った今でも、がん患者に変わりはありませんが生存しています。この事実をどのように説明・釈明できるのでしょう。情報の隠蔽さえしなければ、被害に対する速やかな対応が取られていれば死亡した被害者の何人もが、今も生存出来ていた可能性は無いとは断言否出来ないのです。

私たちは、このような点を疑問として提訴への道を選びましたが、このような疑問点を指摘・訴え続けても尚、アストラゼネカは、科学的なデータを示すことも出来ず、一部の患者には効いている・・と言った論点のすり替えでがん患者の命を軽視して一部の患者を取り込み、それがすべての癌患者たちの意見だとして、国民の理解を得ようとしている行為は、これが人の命を守る製薬会社であるのかと恐怖すら感じます。

承認前の広告・宣伝についても、アストラゼネカでは、自らは行っていないと言ったコメントを出していますが、承認を受ける前からあらゆる新聞や雑誌に「アストラゼネカ社提供」として記事を掲載している事実を消し去ることは出来ないでしょう。これは、誰が見ても承認前の広告・宣伝であるのは一目瞭然なのです。


また、承認前からあらゆるインターネットのがんサイトに、「夢のような新薬が近々登場」とか「副作用のない希望のくすり」と言った情報、「延命率はこれまでの抗がん剤と比較して数倍も高い」と書き込み情報が溢れていた事実は承知していた筈であるのに、否定も注意喚起もしないでこれを放置し、むしろこれらの掲示板情報を巧みに利用して販売促進を図ったともみられます。


このような誤った効果情報の操作により、使用へと導き、短期間で大勢の死者が出た問題について、承認した国と、製造・販売したアストラゼネカに対して訴訟を行ったわけで、すべての抗がん剤の副作用問題とはまったく別問題なのです。このイレッサという薬剤が、良い薬、悪い薬、などといった問題を論じているのではなく、"何故あのような使用をされたのか、何故あのような販売をしたのか、何故あのような承認であったのか"、を問題としているのです。抗がん剤治療における避けられない副作用問題は充分に理解した上での提訴で、販売の中止や薬剤の回収を目的とするものではありません。

イレッサによる副作用死亡は、自己責任論が取り沙汰されています。飲めば死ぬかも知れない危険が多い薬であれば、服用には相当の躊躇と覚悟が必要です。死亡する危険とまでは認識せずに、自分には効くかもしれないと信じるに足りる何らかの情報があるからこそ、その僅かな情報を受け入れて服用するのです。しかし、このイレッサ被害は、事前に信じられるような情報を流しておいて、その暫くの後で販売を開始する。この販促の方法は、これまで幾多となく行われて来た詐欺商法で行われてきた手法であり、人命を左右する医薬品に於いては決して行ってはならないのは語るべくもありません。

科学的証明は不明なままに、素晴らしく効きます論で、全ての患者に使用しても良いと言った考えは余りにも無謀で危険です。どこで効果のある患者群と、副作用が発症して死亡する患者群に線引き・色分けするのか、出来るのでしょうか。いかに切羽詰ったがん患者とは言え、医師を信じて、副作用の大きい抗がん剤治療を受けるのは、生き続けたい為であるのは言うまでもありません。

抗がん剤が、医薬品副作用被害の救済制度から外されていることは私達は承知しています。抗がん剤が他のどの薬よりも死亡する危険が高い、だからと言って、未解明で死亡する危険の割合が高いとされる医薬品を、安心・安全ですと説明して医師の管理も無い中で自宅服用させる。このようないい加減な処方を許し、家族を亡くしたことに対して怒りと抗議を行っています。

被害にあって亡くなった多くの患者に対して・・アストラゼネカ社では、夫々の患者の容態の悪化が死亡の原因であって被害として訴えられるのは甚だ迷惑と訴訟の中で主張しました。2003年5月以降に被害に遭って亡くなった人達には、死亡に至る危険性は、既に各・医療機関を通じて緊急安全性情報等で告知済みで、使用した患者の自己責任であると一蹴する始末です。

このようなことで、被害に遭った患者や、今・治療を受けている患者が納得出来るでしょうか。死亡に至る副作用が多発する危険を認識していながら、それを対処せずに販売し続け、患者とその家族には、既に対処法がないからとして呼吸苦の改善と説明して、間質性肺炎の患者には禁忌薬のモルヒネの投与を進め、「緩和治療の一環・癌患者には許される医療行為の一環」、と被害の問題のすり替えを行い死亡させられた消し去ることの出来ない心の中に出来た大きな傷。抗がん剤による副作用死亡被害は、医薬品副作用被害の救済制度から外されているから何も補償する必要もなく、訴えることすら出来ない制度があるとは言え、私たちは実験台のモルモットではありません。

だから
動物ではない、人としての尊厳を求めて抗議する道を選びました。

2008-10

 
 
つれづれ記 医療過誤も薬害被害も立証は難しい


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