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 イレッサ薬害被害者の会

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2020年のあゆみ
6月25日
(木)
●スマホで表示が困難なフラッシュプレーヤー等の不具合を修正しました。
当サイトは、2004年9月の開設からAdobe Flash Playerを随所に利用したページを作成してまいりましたが、2020年12月をもってFlash Playerのサポートが終了することからこのたび改修を行いました。この改修にともない、スマホで表示できなかったFlash Player部分につきましても、すべて表示が可能となりましたので、今後とも閲覧して頂きますようよろしくお願い申し上げます。
3月 3日
(火)
富山医療問題研究会 ホームページ http://toyama-iryoken.com/ 開設のお知らせ
富山医療問題研究会とは、
医療事故被害の救済、再発防止、医療における人権の確保、医療制度の改善等を願う、富山県弁護士会に所属する弁護士等で構成されている団体であり、医療事故相談活動や事例研究会等の研究活動その他必要な諸活動を行っています。

富山医療問題研究会は、1992年に患者側の立場に立って医療事件に取り組むことで、患者の人権の確保とより安全な医療制度への改善をはかることを目指して設立された団体で、会員弁護士による相談・調査・受任の体制を整えると同時に、会として「医療事故110番」やシンポジウム・講演会などを行ってきました。今様々な媒体で医療事件を扱う弁護士・法律事務所の広告が見られますが、医療事件は、患者・被害者・当事者と代理人弁護士が緊密に連絡を取り、二人三脚で事件に取り組む必要性が高い分野・類型の事件です。その場合には、やはり遠方の弁護士より、身近に同じ地域で生活している弁護士が、より頼りになると思います。また、事件の進行は、複数の会員が共同で受任して取り組むルールになっていますので、異なった視点からの意見交換が期待されるところが、単一の弁護士・事務所の場合と異なります。

富山医療問題研究会 ホームページより抜粋
2月 21日
(金)
抗癌剤使用による副作用死亡被害に関する被害救済制の法制度に向けた議員要請と、今尚つづくインフォームドコンセントを無視した抗癌剤処方による死亡被害についての思い。
城北法律事務所(東京・池袋)の阿部哲二弁護士と共に、2月19日午後4時より参議院議員会館に川田龍平議員を訪ね、抗癌剤の使用による被害救済の法制度創設に関する検討会の再開について約一時間、レク・要請を行いました。
抗癌剤副作用被害救済制度創設とは、20047月に始まった肺がんの治療薬「イレッサ」の副作用を巡る裁判で、第一審の判決で原告側の勝訴判決が下された際、裁判所は、この裁判は和解による解決が望ましいとして和解勧告をだしました。しかし国と製薬会社はこの勧告を拒否し高裁への控訴を表明した際に、当時の細川厚生労働大臣が、被害患者のみに負担を与えるのは妥当ではないので何らかの制度の中で救済を図ることが必要であろうと発言。その発言を受けて専門家や患者会などによる「抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会」が開かれたという経緯で、第1回の検討会が2011年6月27日開かれました。
2011年9月6日に第2回、2011年10月3日第3回と開催されましたが、2012年8月6日に開催された第10回で、この検討会は見送りが決定されることとなりました。
この検討会が中止された際にまとめられた報告書等によると、

・・

抗がん剤とは、必ずしも完全に治すことを目的としておらず、特に重いがん患者の場合延命を主目的としており、高い頻度で死亡を含む等の副作用が起きることを前提に使われている。

・・

がん患者の場合、複数の治療を受けている場合が多く、症状の悪化がイレッサによる副作用によるものかどうか判断するのは難しい

・・

救済制度が導入された場合、資金を負担する製薬会社(現行の医薬品等による副作用被害救済制度においてはその被害にかかる補償・救済は各・製薬会社の拠出金によって賄われている)が薬の開発や販売に消極的になる可能性もある

・・

現行、医薬品副作用被害救済制度があるが、この制度とは被害患者に対する救済を目的として創設された制度であり、遺族に対して救済をするものではない。

・・

抗癌剤による被害として補償等が認められた場合、使用する医師が今後訴訟を嫌い治療を行わないという問題も出てくることにもつながり抗癌剤治療は委縮する。

等々この制度創設には反対とする各委員の意見を汲み上げた形で、現時点では救済の対象範囲を決め難く時期尚早であるとの結論となりました。この検討会中止に、被害患者の立場から参考人として参加し意見を述べた当会の近澤昭雄代表は、・・・「具体的な制度への検討や提案がないままに、審議が終了されたことに関しては、ただ残念ですと言う他ありません。昨年(2011年)、薬害イレッサに関する和解勧告を拒否するに当たってのコメントで、当時の細川厚生労働大臣が、抗がん剤を対象とする救済制度創設を検討すると表明しました。また、小宮山厚生労働大臣も、「政策上の課題と受け止め十分に検討を尽くします。」と昨年7月13日の閣議後の記者会見の中で、この制度の創設について約束されました。国は、この制度の創設に向けて最大限の努力をする責務がある筈です。確かに、さまざまに難しい課題が多くあります。副作用の把握の問題・副作用の判定方法・適正使用の判断・企業に負担を強いる拠出金の問題等、しかし、これらは折込み済みの問題であって、ワーキングチーム、または別の研究班などの設置でクリアできる問題です。いま尚、抗がん剤を医薬品副作用被害救済制度の対象から除外する理由はなく、制度の創設は被害者の救済だけでなく、安心と納得の中で受けられる抗がん剤治療に繋がる事です。明日への抗がん剤治療のために、この検討会を生かして欲しかった。残念です。」・・・と検討会終了後の記者の質問にコメントしました。
我が国における抗癌剤治療は、イレッサ被害が発生した2002年当時・世界の癌治療から比べると10年は遅れていると言われていましたが、このイレッサ事件以降は様々な教訓を活かしながら目覚ましい改革がなされ大きく変わってまいりました。しかし、当会が毎年6月に行って参りました厚生労働省交渉の昨年の要請の中で、抗癌剤による死亡被害として、オプジーボとタグリッソの被害数について質問しましたところ...、
オプジーボ(一般名ニボルマブ ・・・(日本では2014年、世界初の抗PD-1抗体として切除不能な悪性黒色腫(メラノーマ)に対して承認。2015年12月より切除不能な進行・再発の非小細胞がんにも適応になった。)、による死亡被害は何例であるかの質問に対して、2014年7月の承認以降2019年3月までに612例の死亡が厚労省に報告があったと回答。タグリッソによる副作用被害数については、2016年5月の販売開始から2019年1月までに厚労省に報告のあった死亡数は98名であると回答。
この死亡被害に関しては、当会にも寄せられている相談によると、今尚、安易な処方と医師管理のない投与・処方により被害を受けている患者も少なくはなく、イレッサ被害と何ら変わらない処方が今も一部の医療現場では続いているという現状に、イレッサ事件の教訓は生かされてはいなかったのかと思うと、検討会の中止が何とも残念でなりません。
また今一つに、抗癌剤開発における治験の中では、その治験に参加したがん患者の死亡や重篤な被害に対して一定程度の補償が保険会社より行われています。ところが、医薬品として国の承認を受け販売されると、発生した被害は死亡・重篤に関係なくすべてが仕方のない被害とされて補償はないのが現状です。
このような患者の不利益に対して、2011年、当時の細川厚生労働大臣が、被害患者のみに負担を与えるのは妥当ではないので何らかの制度の中で救済を図ることが必要であろう・・と表明し検討が開始されたことは癌医療の改革に向けた大きな意義ある取り組みであったのです。
あなたは納得できますか?
 ・・副作用はほとんどありませんから自宅での服用も心配は要りません安心してください。
 ・・延命の効果はほかの抗癌剤と比して素晴らしいものです。
このように医師から説明を受けて処方された抗癌剤によって、抗癌剤特有の間質性肺炎の副作用に遭って苦しみ続け亡くなっても、仕方がない被害と..... 。
このような投与は202年当時に行われていたもので、今ではしっかりとしたインフォームドコンセントにより処方が行われていなければならないのですが、イレッサ被害当時と何も変わらない説明で投与され被害に遭っている患者が少なくない現状を、昨年の厚労省交渉においてその被害を訴えたところです。
2013年4月13日に「イレッサ裁判」は終了して既に7年が経過し、今では多くの医療者が、この被害は防ぐことができた忌まわしい事件であったとようやく認められてきました。2016年に、厚労省の外郭団体の一つである、医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団より、「薬害の知識と教訓・イレッサ事件」としてDVD化され、文部科学省の認定を受け、医療界で、各研修の現場で、教育の現場等で、薬害防止の取り組みの教材として広く使用されています。
2013年4月13日の最高裁判決の中でも以下のように異例の補足意見が付され、被害患者については救済制度等の制度の中での補償が望ましいと述べていることは重く受け止めなければならないでしょう。
・・・【副作用が重篤であり、本件のように承認・輸入販売開始時に潜在的に存在していた危険がその直後に顕在化した場合について、使用した患者にのみ受忍を求めることが相当であるか疑問が残るところである。法の目的が、製造者の責任を規定し、被害者の保護を図り、もって国民生活の向上と国民経済の健全な発展に寄与することにあるならば、有用性がある新規開発の医薬品に伴う副作用のリスクを、製薬業界、医療界、ないし社会的により広く分担し、その中で被害者保護、被害者救済を図ることも考えられてよいと思われる。】
(2013年4月13日の最高裁判決文抜粋)
イレッサ事件のような被害を二度と再び起こさないために、そして患者が安心して癌治療が受けられるためにも、中止されたままの抗がん剤による副作用被害救済の法制度創設の必要性と、検討会の再開を願ってこの度、HIV被害者として長年にわたり困難な訴訟を経験し、今では国会議員として薬害被害の問題について第一線で戦っている川田龍平参議院議員を議員会館に訪ね、被害救済の法制度に向けた検討会再開への力添えを要請いたしました。 (近)
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