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 イレッサ薬害被害者の会

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 ◆ 苦しい活動のスタート 
 2002年10月15日・イレッサに関する副作用の危険情報を伝える「緊急安全性情報」が出されてからと言うもの、全国の肺がん患者達は不安と恐怖の日々を送っていました。私たちイレッサ副作用被害の遺族が、厚生労働省の記者クラブでイレッサの危険性について訴えたのが2002年12月5日。この日からマスコミからの取材要請は後を絶たず、大きな社会問題に発展している重大さも認識したわけです。

テレビや新聞報道による、この時点(2002年12月5日)での副作用の死亡者は81人と報告されていました。連日報道されるイレッサ関連のニュースに不安を抱き、疑問に感じて、既に亡くなった患者の家族や服用し続けている患者たちは、製薬会社に対して、厚生労働省に対して、主治医にと、イレッサの安全性について危険情報等、詳細はどのようになっているのかの問合わせを行いました。しかし、厚生労働省も製薬会社も何一つとして患者に対し不安を解消出来るような有益な情報を示すことなく、患者たちの多くは他に情報を得る術もなく日が過ぎて、死者の数だけは増え続けていったのです。必死の思いで問合わせをした多くの人達の中に、イレッサ服用の患者自身も含まれていましたが、なす術も無く副作用の間質性肺炎を発症して倒れ亡くなって逝った者も多くいました。

患者やその家族は副作用についての状況を知りたいと製薬会社のアストラゼネカ社や厚生労働省に対して問合わせしましたが納得できる回答は何一つありませんでした。
余りにも冷たく事務的な厚労省の対応。
副作用被害ではないと説明する医療現場の医師。
患者が死亡したのは夫々の患者のがんの増悪によるものと言う製薬会社のアストラゼネカ。
情報隠し、報告の遅れが不信と怒りに変わってしまうのに、それ程の時間はかかりません。

このイレッサによる副作用の死亡は、あまりにも多すぎる数です。この多すぎる数の中の1人になってしまった不幸を嘆いてばかりでは真実は何も見えてきません。兎に角行動してみない事にはと、まず医療問題に詳しい弁護士に相談するのが一番良いのではないかと行動始めました。

準備としてカルテやレントゲン写真、レセプト(診療報酬の明細書)の取り寄せは必要です。カルテやレントゲン写真などに付いては病院へお願いしてみました。しかし病院側の対応は、患者本人の申し出、もしくは立会いがあれば開示、閲覧は可能だが、そうでなければ例え家族ではあっても開示する事は出来ないとの回答でした。やはり閉ざされた医療であることの証明がされた一つでもありました。無理に抗議やねじ込みをしてもまず対応は同じでしょう。情報開示を積極的に行っている病院もありますからすべての医療機関がこうとは言いません。このような時は、いずれ弁護士より医療機関へ請求して貰えば取り寄せが可能ですから無駄な争いごとは避けるのが賢明でしょう。開かれた医療とか患者のための医療と言われていても、まだまだ日本全体のごく一部でしかカルテなどの開示はなされていないのが実情です。

レセプト(診療報酬の明細書)については、加入している保険の種類によって取り寄せ手続きの機関は異なりますが請求するとだいたい30〜40日ほどで取り寄せが出来ます。自分が何処に請求すれは良いのかは、分からない時は最寄の役場や市役所に尋ねると教えて貰えます。私も、2003年にレセプトの取り寄せをしましたので少し気付いたことを書いてみます。

社会保険事務所に行き、まずレセプトを取り寄せたいと受付に申し出ると、対応した職員は少し怪訝そうな顔でどのようなことで使用するのかと細かく説明を求めてきました。別室に案内され、そしてまた係員から使用の目的について事細かく聞き取りをされます。ここで、一々答える必要もないと思います。私の場合は参考のために一度見てみたいので申請を致しました。とこのように答えておきました。ここで一つ気になることがありました。レセプトを取り寄せたことを罹っていた病院に連絡しますが良いですか、と聞かれました。ダメと言えば連絡はしないのかと尋ねたのですが、一応連絡するきまりになっているからとのこと、何故・何処の誰々がレセプトを取りに来ましたよ..なんて病院に報告しなければならないのか、違和感を持ちました。

不愉快な思いはたくさんありますが、それでも活動のスタートです。


2003-05

ハチのムサシになったとしても 弁護士を求めて



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