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 ◆ 黙っていては癌治療は変わらない
 最愛の家族がガン患者となって入院すると言うことは、患者本人は当然の事ですが、家族もすべてを打ちのめされてしまったような、悲劇と途方もない未知の恐怖感の真っ只中に引きずり込まれてしまいます。それでも容赦なく難問は立ちはだかり、即決しなければならないことばかりの連続です。

まず初めの難問が告知の問題です。
ガンとなって当人に告知するかしないかは論議する問題でないことは後々に知ることですが、告知の問題をどうしょうか、告知しないで治療する方法はないのだろうか・・と真剣に考えてしまいます。ガンでないかの疑いで検査入院してガンが発見されると、医師はただ告知して治療する方法のみを説明します。例え、余命が半年と言われても、一年と診断されても、治療を望む以上告知は避けては通れません。告知する理由の一つに、自己責任で納得して治療を受けるという問題が出てきます。告知しなければ治療は出来ない・・病院側としては治療もしない患者をいつまでも入院させては置けない、となると告知しない患者は直ぐにでも退院しなければなりません。保険制度のシステムや入院と治療に関する事柄など、ある程度は分かり易く説明して欲しいとは後々知ることなのですが、執拗に告知を求めてくる医師の態度が単に冷酷な医師と思い込み、事務的な処理を怒り、医療不信や医師との軋轢が生じてしまうことにもなってしまいます。

医師と患者、インフォームドコンセントの問題が良く取り上げられていますが、話しが苦手な医師、元々寡黙な医師、高圧的な医師、等など、様々なことを思えば患者側からすると、どんな医師にあたるかは運・不運と言えるかも知れません。何も患者の身になって貰わなくても良いのです。極々自然に普通に、解り易く説明してもらえればそれで良いのです。

ガンともなればたいていの患者は大きな病院に入院をしたいと願い選択するのは当然です。
医療設備や専門の医師が居るなどのことを思って選択した大学病院や国公立の病院は、入院する手続きにまず何時間も待合室で待たされ、診察・検査と丸々一日掛かったという話しは良く聞かれます。ガンに罹って身も心もずたずたになりながら、延々と費やされる手続きに、絶望にも似た諦めも出てしまいます。それでも尚・患者や家族は、怒りも抗議も出来ず只ひたすら待合室の片隅で、我慢と忍耐を強いられているのが現状です。

私たちは、いつの間にか不合理なシステムに強いられ慣らされてしまい、医師に任せきりの治療になってしまっている事すら気付かずに過ごしているように感じます。システム化された医療現場の中で、ロボットのようにコントロールされた患者たちが取れるインフォームドコンセントとは一体どのようなものなのでしょうか。このように心が通じない医療現場の中で、今回のイレッサの副作用被害は拡大していったと言ってもけっして過言ではないでしょう。

疑問は飲み込み、質問はしまい込みではいつまでたっても開かれた医療なんて遠い夢のまた夢です。

辛いときはその辛さを、
不満があればその不満を、
希望があればその希望を、
話さなければ医師は理解してくれません。

2008-02
抗癌剤の副作用死は仕方がないの? 副作用被害報告制度はあるけれど


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