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 イレッサ薬害被害者の会

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◆ 被害にあって
イレッサが承認されて保険適応で販売が開始されたのは2002年8月30日ですが、販売直後から重篤な副作用による被害が発生、発売僅か2ヶ月後の10月15日には緊急安全性情報が出されて・イレッサの服用には注意をするように!・という発表と同時に副作用死亡が13人出ていると報道されたわけです。これがイレッサ副作用被害事件のプロローグです。
しかし、この時・既に被害は手のつけようもない程に拡大して手遅れの状態だったわけですが、服用している患者たちや家族・又医師たちはまだ事の重大さに気付いていませんでした。副作用の死亡が報道され、緊急安全性情報が出されたことで多少の動揺はあったのですが....  
副作用死亡報道の第一報から数日後、2002年10月26日の新聞各紙は、< イレッサの副作用で、死亡36人 > と被害の続報が大きく掲載され、医療機関や患者たちの間に大きな動揺が走りました。続いて12月5日・死亡81人と報道されたこの日、厚生労働省で薬害オンブズパースンのメンバー(医師や弁護士、薬剤師・薬害被害者など)の皆さんと共に、さいたま市在住で30歳になる娘の三津子さんをイレッサによる副作用の間質性肺炎で亡くした近澤昭雄さん(現・イレッサ薬害被害者の会代表で、薬害イレッサ訴訟原告団代表)が、記者会見を開いてイレッサを安易に服用することの危険と、使用には主治医と良く話し合って細心の注意の中で使用を!!と呼びかけたことが大きくテレビ放映されました。
ガン患者は勿論のこと、副作用の被害で肉親を亡くしたそれぞれの家族、がん治療に係わる各医療機関の医師たちにとって最悪な事件が起きた2002年も終わり、年明けて2003年2月に、何と "イレッサ副作用死・173人" とまさかの数の副作用死亡の報道が出されました。最早どこまで死亡が増え続けるのか日本国内だけでなく、世界中のがん治療に携わる医師等が注目する大事件となってしまいました。このイレッサと言う薬は、分子標的薬として世界のどの国よりも先に、承認申請から僅か半年で、日本が最初に承認して使用に踏み切った未開発で未解明の薬だったからです。どのような効果が得られるのか・・、どのような有害事象が発症するのか・・、と世界中の医療従事者が注目していたのは言うまでもありません。
このイレッサについては、解明されていない部分が多すぎるということから、アメリカは2004年5月まで承認をしませんでした。この薬を開発した販売元であるアストラゼネカ社は、イギリスに本社を置く大手の製薬会社ですが、この開発元でもあるイギリスにおいても未解明な部分が多いことから承認しない・・そんな薬であったわけです。このような中、先進諸国ではノーを示し承認には早すぎるとしている時に、わが国は第二相の臨床試験を経た段階で不安部分を抱えたまま承認・販売に踏み切ったわけです。特定療養費制度を適応というオマケまで付けて。何故、厚生労働省はこのような未解明な薬の承認を急ぎ許したのでしょうか。
抗がん剤の開発は、第一相・第二相・第三相といった段階で治験がなされていきます。第二相の治験の段階で、腫瘍の縮小効果が認められると未解明の部分を残したままに国の承認を受けて販売が許され、第三相の治験は臨床の現場で販売されながら患者に対して使用が許されていました。しかし、ここではまだ未開発の薬であり、正確には「開発途中の治験薬」、であるわけですから、使用に際してはどのような街作用が現れるのか等、細心の注意を払い患者の様子を医師たちが注意深く観察しながら処方するのは当然といえば当然・当たり前のことなのです。そうすることで新薬は改良されて育ち、後々の大きな国の財産になって行くというのが新薬の、「育薬」といわれる所以です。
どのような有害事象が起きるか分からない、だから慎重な使用で極力患者に不利益が被ることのないように販売と使用には細心の注意を払うわけです。しかし、このイレッサを販売するアストラゼネカ社は、承認される前から利益優先の販促に走り、「夢のような新薬・がん患者の希望の薬」と言われ流れていた誇大な宣伝を巧みに利用して日本人をターゲットにした動物実験を行ったとしか思えません。重篤な副作用データを隠蔽し、自社に都合の良いデータのみを公開して収益を優先し販売し続けたその結果、危惧された如くに大量殺人にも似た副作用死亡事件が起きた事実は死亡数が物語っています。
・・・販売開始から僅か2年6カ月で、副作用による死亡557人を異常と捉えるか
  抗がん剤治療の現状、仕方のない被害と捉えるか....、
  さまざまなのでしょうか。
2006-04

何か変です 抗癌剤の副作用死は仕方がないの?



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