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何か変です
ある日突然に家族が癌と宣告されて、少しでも長生きする方法はないかと、ただそれだけを願いながら治療を続けている時に、たまたま画期的と言われた新薬が発売になったことから私たち家族の歯車が少し狂ってしまいました。

この画期的新薬と言われたイレッサは、発売の一年も前から多くの医学雑誌に紹介され、ガン治療の救世主のようにテレビで扱われ、新聞でも夢のような抗がん剤として大きく掲載されました。いづれの報道も、素晴らしい新薬の登場と謳い、この薬は抗がん剤特有の副作用が殆んど無くて素晴らしい延命効果を表し、ガンの縮小には目を見張るものがあり、中には腫瘍の総てが消えた患者もいるとの記事にはただただ驚くばかり。この情報はインターネットや病気サイトの掲示板でも詳しく書き込まれ紹介されました。

この効果情報は本当なのだろうか、
信じられるものなのだろうか、
本当に夢の新薬なのだろうか、
本当であれば、何としても一日でも早く使用したい、

そう願った多くの患者たちは医師に相談しました。
相談を受けた夫々の主治医は、皆一様に、「素晴らしい効果と副作用が少ない新薬である」、と患者に説明しました。
(これまでの抗がん剤と比べ、副作用が軽く自宅でも手軽に服用できる安全な薬である・・と説明を受けて処方されていたことが、後に被害家族の聞き取り調査で判明しています。)

このイレッサというクスリについて
何も不安情報はありません。
厚生労働省も
製薬会社のアストラゼネカ社も
ガン治療に関わる専門医も
自宅服用でも安全で素晴らしい薬と言っています
副作用も殆どないようなのです。

この説明を、患者たちは信じました。
そして、・・・言われている効果情報を信じて服用し続けました。
(ほとんどの患者が、医師管理のない自宅で服用し続けました。)

それから間もなく、悲劇が襲いかかってきました...

ある患者は服用数日で、
ある患者は数週間で、
息が出来ない・・・と顔をひきつらせ、喘ぎ続けて亡くなって行きました。

この症状を、殆んどの医療機関では対応が出来ませんでした。
呼吸が出来ないと、苦しみ続けている患者を助けることが出来ませんでした。

画期的新薬として発売されて僅か2ヶ月で、
100人以上もの患者が重篤な副作用の間質性肺炎により死亡していました。       
そして、この被害は拡大し毎日死亡数は増え続けています。

しかし、何か変です
肺癌患者の命が軽視され見捨てられているように感じます。
いずれは死ぬ命・・と、被害に遭って亡くなった患者たちは言われています。
この被害を、「仕方のない死」と片付けられることに怒り
このような販売が、このような処方が、許されるのかと、
私たちの行動はここから始まりました。
2004-05
※参考記事 読売新聞、(医療と介護欄)、「イレッサ・病巣狙い撃つ新薬・肺がんの新薬」
つれづれ記 被害にあって



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