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● イレッサの問題点
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(1) |
治験の段階から,学術の対談記事と称して,あらゆる雑誌,新聞などを用いて,夢のような新薬の登場などの誇大な広告宣伝を行った。(医薬品の承認販売前の広告宣伝の禁止)
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(2) |
治験段階の動物実験で,重篤な副作用が判明していたのに,この事実を隠して承認申請をした。 |
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(3) |
夢の新薬,希望の薬と言われ,副作用が少ない薬と意図的に広げた情報が,誇大化して患者・医療関係者までを信じ込ませ誤った情報の訂正を怠ったばかりか,これらを販売の促進に巧みに利用,被害を拡大させた。 |
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(4) |
医薬品にとって最も重要な添付文書に,治験の段階でも判明していた重篤な副作用(間質性肺炎)の記載をしなかった。 |
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(5) |
抗がん剤の知識がまったくなくても医師免許があれば治療・使用することが出来る現在の医療制度が被害の拡大をもたらした。(副作用に対する処置の遅れ)・・腫瘍内科専門医認定制度が作られて,2006年からスタートしたばかり・・ |
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(6) |
アメリカではFDAが,効果がないとして新規の患者への投与禁止。欧米では延命の効果がないとして承認申請の取り下げまで行われたのに,東洋人には効果があるらしいとの理由で,検証もしないままに使用が継続された。 |
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このような問題の軽視で被害が発生し,多くのガン患者の命が奪われそして死亡の全てを自己責任として処理されています。発売前から充分に予見は可能であったにもかかわらず,死亡率の高いイレッサという抗がん剤を,いちどきに大量の投与をして自宅で服用させ,副作用の発見が遅れ死に至らしめたその責任は重大。 |
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● 抗がん剤が承認されるまで・・・・・(一般の薬との比較) |
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一般の薬の場合 |
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非臨床試験を動物実験などを行う→第T相臨床試験で,健康者対象にして安全性を調べる。第U相臨床試験では,患者を対象にして有効性・安全性について臨床を行う。→第V相試験で,従来の薬との比較を行い,患者を対象に有効性を調べ,承認申請が出され承認を受ける。 |
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◆ |
抗がん剤の場合 |
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動物実験などの非臨床試験を経て→第T相試験でガン患者を対象として安全性を調べる。→第U相臨床試験と進み,ガン患者を対象にして安全性や有効性などの試験を行いガン腫瘍の縮小効果などの臨床を行い,縮小効果が認められると承認申請が出され認められると第U相の段階で承認を受け,販売・使用が許されながら医療の現場の中で第V相の臨床試験が進められる事が許されている。 |
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※イレッサによる副作用 |
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(1)イレッサにおける間質性肺炎発現率は5.8%死亡に至る割合は2.3% (間質性肺炎を発症した約40%が死亡する重篤な副作用)。・・他の抗がん剤の間質性肺炎の発現率は多くても1%未満と言われる。 |
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(2)イレッサによって起こる間質性肺炎はびまん性肺障害⇒治療の効果が著しく低い。 |
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● 抗がん剤・イレッサをめぐる問題点 |
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1. |
審査・承認の問題 |
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(1)延命効果の確認なしに承認する制度設計⇒⇒腫瘍縮小効果(奏効率)が錦の御旗のごとく扱われる現状の危うさ。
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(2)作用機序(EGFRは正常細胞にも存在する)から予測される危険性を無視し動物実験データ, 市販後臨床試験の有害事象,副作用報告例を充分に検証していない。 |
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2. |
市販後の問題 |
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副作用情報の正確な収集,集まった副作用情報の迅速な評価をせず,正確な情報提供も行わなかった。・・・・・※累積使用患者数すら不明 |
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3. |
情報の不開示の問題 |
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ゲフィチニブ(イレッサ)検討会・情報公開請求での企業,国の対応 |
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4. |
承認前からの専門医を使った巧みな広告・宣伝活動の問題 |
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医薬品の承認前の広告宣伝は,薬事法の脱法⇒インターネットやマスコミを巧みに使って患者に直接働きかけた。 |
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5. |
抗がん剤による副作用は救済の対象外 |
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抗がん剤は⇒医薬品副作用被害救済制度として認められていない。 |
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● 薬害イレッサ訴訟・裁判における主張 |
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1. |
被害者(原告側)の主張 |
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(1) 製薬会社・アストラゼネカ社に対して |
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