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氾濫している被害情報の誤り
 今年(2007年)6月に、厚生労働省が発表したイレッサの副作用被害者数は、2002年7月の販売開始から僅か5年で1797人、内、間質性肺炎による死亡が706人と報告されました。こんなにも多くの死亡が確認されたことは事実として受け入れて、問題発生の原因究明や被害拡大の防止、使用患者の安全対策に取り組まなければ患者の命は危険に晒され続けることにもなると、国会議員や厚労省、医療関係者やがんの患者団体が意見を出し合ってガン医療の改革とさまざまな対策に取り組んでいる真っ只中....
数多くある患者団体の中でも認知度の高い団体が開設しているブログの中で、この会の代表者と思われる方の書き込みに次のような記述があるので紹介してみます。
この書き込みは2007年2月19日の日付で、
「イレッサで亡くなった方の13人の命は重いものだと思いますがイレッサで高いQOLを維持しつつ1年〜2年という期間、腫瘍の増殖を押さえ込んだ患者さんの数はもっともっと多かったはずです。」
と書きこみがされています。このブログの開設者の会は会員数も多く訪れる人も多いだけに安易な使用への推奨にも繋がのではと危惧します。因みにこの会が報告している亡くなった13人とは、イレッサの被害が初めて報道された、2002年10月15日に新聞に掲載された死亡被害者の数で,既に5年も経っています。
イレッサで亡くなったのは13人、と書いていますが
このブログに書き込みされた時点のイレッサで亡くなった死亡被害者は706人です。
(2007年3月の時点で厚労省が発表した被害数です)
このような間違った情報が独り歩きをしていることが薬害被害を拡大させているという現実。抗がん剤医療の真の改革に大きな障害となっているのも事実ではないでしょうか。「イレッサで亡くなった13人の命は重いものだと思うが、もっと多くの人たちがイレッサのお陰で高いQOLを維持し生きているんだ」と。述べて被害を過小している・・・という事はこの団体はイレッサの副作用被害の真実を知らない? もしくは事実から目を逸らしているかのどちらかということになります。
2002年10月15日のイレッサ副作用被害の報道で出された死亡13人から、それ以降に出された現実の情報の受け入れを拒否しているのではないでしょうか。それとも、まったく興味がなく注目していないので被害が拡大していることを認識していなかった?。イレッサを推奨するあまり、副作用情報などは受け入れたくない思いが偏りになってしまっている? などではないでしょうか。
イレッサを必要としている患者がいるなら尚更、その薬剤使用による害作用については危険性を伝えなければ、まだ生き続けられる命を危うくする可能性があります。努力して避けられるのであれば避けるのが副作用被害であって、万全を期すことなく死亡する副作用死など論外でしょう。
この患者団体が問題なのではなく、被害の発生から既に5年たった今でもこのような誤った情報が罷り通り、イレッサの真の危険性を知らせない製薬会社のアストラゼネカの情報の不開示が問題なのです。素晴らしいと噂されれば服用したいと願う患者が多く現れる恐れのある抗がん剤のような薬では、全ての情報を開示するのは当然な事。その情報を基に患者は使用する。これが本来の自己責任ではないでしょうか。
このイレッサ副作用に関する死亡被害者数の誤りは、訂正しなければ被害の拡大に繋がるとの思いから敢えて取り上げましたが、悲しいことですがこのような誤った情報は氾濫しています。
抗がん剤医療の問題は、このままじゃダメだ!! 何とかしないと !!
2007-10

 
 


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