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イレッサの副作用 間質性肺炎について
イレッサによる副作用の間質性肺炎がどんなに酷いものかはあまり知られていません。
私たちの家族が経験した2002年から2003年当時の、「イレッサによる副作用被害の間質性肺炎」とは、少しの息苦しさを自覚することから始まり、人によって異なりはありますが数日の内に重症化へと進行します。この症状とは、肺が炎症することから起きるもので痛みがある訳ではありません。洗面器に張った水の中に顔をつけられ上げることができない状態に似た苦しさが続いて死亡に至るというもので、一旦発症するとまず助けようがないと言われるほど恐ろしいものです。販売開始から僅か2年半で557人という死亡報告数からみても、この副作用がいかに恐ろしいものであるかご理解頂けると思います。現在では、当時行われていた、「医師管理のない自宅処方」、「副作用の少ない安全な薬」等の説明は改善されています。多くの命を犠牲にした当時の被害を教訓にして、副作用に対する対策も進み、医療現場での対処法も確立し、死亡被害は大きく減少しています。しかし、副作用の大きい抗癌剤ということを十分に認識し安易な使用は今後も避けなければなりません。


イレッサの添付文書・2009年10月改訂版・・には、冒頭以下のように警告・使用上の注意が記載されています。
◆効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
本剤の化学療法未治療における有効性および安全性は確立していない。
2.
本剤の術後補助療法における有効性および安全性は確立していない。
◆警告
1.本剤による治療を開始するにあたり、患者に本剤の有効性・安全性、息切れ等の副作用の初期症状、非小細胞肺癌の治療法、致命的となる症例があること等について十分に説明し、同意を得た上で投与すること。
2.本剤の投与により急性肺障害、間質性肺炎があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、急性肺障害や間質性肺炎が本剤の投与初期に発生し、致死的な転帰をたどる例が多いため、少なくとも投与開始後4週間は入院またはそれに準ずる管理の下で、間質性肺炎等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。
3.特発性肺線維症、間質性肺炎、じん肺症、放射線肺炎、薬剤性肺炎の合併は、本剤投与中に発現した急性肺障害、間質性肺炎発症後の転帰において、死亡につながる重要な危険因子である。このため、本剤による治療を開始するにあたり、特発性肺線維症、間質性肺炎、じん肺症、放射線肺炎、薬剤性肺炎の合併の有無を確認し、これらの合併症を有する患者に使用する場合には特に注意すること。(「慎重投与」の項参照)
4.急性肺障害、間質性肺炎による致死的な転帰をたどる例は全身状態の良悪にかかわらず報告されているが、特に全身状態の悪い患者ほど、その発現率及び死亡率が上昇する傾向がある。本剤の投与に際しては患者の状態を慎重に観察するなど、十分に注意すること。(「慎重投与」の項参照)
5.本剤は、肺癌化学療法に十分な経験をもつ医師が使用するとともに、投与に際しては緊急時に十分に措置できる医療機関で行うこと。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)

平成18年11月,厚生労働省より出された間質性肺炎に関する対応マニュアル
  間質性肺炎(重篤副作用疾患別対応マニュアル

間質性肺炎ではないかと,どんな時に気付くの?
服用している患者も,常に側にいる家族も,異常に気付くのは難しいのがこの間質性肺炎です。元もとの病気が肺ガンですから,普段より多少の息切れもあったり微熱があったりしている中での,ほんの少しの異常・息苦しさなどは見過ごされがちで専門の医師でも発見するには難しいと言われています。
服用数日で間質性肺炎に罹った患者さんが私たちの会員の中にいます。いつ発症するのかは分かりませんので服用開始から暫くの間は手遅れにならないために最も注意が必要です。そのためにも,新規投与を受ける患者さんは,徹底した医師の管理の下でと厚労省でも指導しています。服用には最低40〜50日は入院しての服用を勧めます。

副作用ってどんな症状が出るの?
◇息苦しく少しでも多く酸素を吸い込みたい感じで呼吸が荒く速くなります
◇全身に赤い発疹が出て,酷い皮膚のただれや水泡があります
◇痛みを伴うとか吐き気がするとかの症状は患者さんにより出る人もいます
◇風邪の時のような咳や発熱がでる場合があります
◇一日に何度となく酷い下痢に悩まされます
◇口の中のただれ<酷い人は食事も水すらも取れないほどです>
◇血尿が出る患者もいます
この他にもさまざまな症状が出る場合があります

服用して発疹や下痢や口の中にただれ,これは間質性肺炎なの?
服用して数日から(患者さんによって多少の違いはありますが),口の中のただれ 発疹,下痢などの症状がありますが,このような症状はイレッサを服用した患者のほとんどに見られています。この症状はイレッサによる副作用で,間質性肺炎とは異なります。この副作用の発現は人によって大きく差があり,軽くて日常の生活にそれほど影響がないと言う方もいますが,少しの食事も水も飲み込むことができない,動く事も出来ないほどの湿疹やただれ,下痢に悩まされるなど酷い状態の患者もいて実にさまざまです。
この症状が,間質性肺炎に繋がるのではと相談を受けることが多いのですが,異常を感じたり,不安に感じたときは直ぐに主治医の診断を受けて下さい。間質性肺炎の兆候を早期に発見するためには、自覚症状としては咳嗽や発熱や呼吸困難感があり、血中酸素濃度の測定や胸部レントゲン撮影や胸部CT等を行うことが大切です。いつもより息苦しいと感じたらすぐに。自己判断は最も危険です。

危険な状態なの?
間質性肺炎とは,医師がもっとも恐れ注意を要すると言われています。対処法は,一刻でも早く発見してステロイドパルス療法しかないと言われています。私たちの被害者の会に,発見が早くステロイドの対処法に精通していた専門医の処置により命を救われ、7年たった現在でも力強く肺がんと闘い続けている患者さんがいます。しかし,この間質性肺炎にかかった患者のほとんどが,対処,治療方も分からないままに苦しみつづけながら亡くなっています。一杯に水を張った洗面器に顔をつけ続けている状態が正にこの副作用で,この状態のまま亡くなって行く被害の悲惨さが想像できると思います。くれぐれも軽く考えないでください。異常を感じたら早い対応で主治医にご相談下さい。

イレッサ使用ガイド
イレッサ使用についての注意点や副作用についてのガイドです。


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