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1. がんと宣告されたら
・・あわてないで落ち着いて
とは言われても当事者の身になればそうは行かないものですね。
私の場合、当時29歳になる娘が肺ガンに侵されていると分ったときは、バニックになってしまいました。頭が真っ白になって全ての思考能力が無くなってしまった事を思い出します。医師からの説明は頭に入らなくて、すぐにも決断しなければならないさまざまな問題の対応が遅れてしまいました。最愛の娘にガンである事をどうしても言えなくて告知するのが延び延びとなり、治療をしないのであればと退院勧告が出て止む無く退院をしなければならなくなったという辛くて苦い経験を致しました。そんな当時を振り返り、がんと宣告されたらどうすれば良いのか、何から始めたら良いのか記してみました。
2. やらなければならない事は
・・いま必要な情報は何か、メモにして考えてみましょう。
告知の問題があります。
ご本人であれば、医師から説明を受けた時点で、がんである事は聞かれていると思いますが、ご家族が医師より説明を受けた場合は、本人にどのようにがんである事を告知するかがまず第1の問題です。ガンの進行度によっては治療しない選択もありますが治療をするのであれば告知は100%です。
病院を何処にするかの問題があります。
治療が始まると長丁場になることは考えておかなければなりません。何れは通院による外来化学療法を行うことになります(入院三ヶ月過ぎるとだたいた通院での治療となる場合がおおくあります)のであまり遠い病院は避けた方がよいでしょう。後々の通院による治療も考えて利便性は考えるべきだと思います。現在では治療は全国の主要病院ではほぼ均一化していますから、地域のガン拠点病院などあたってみると良いでしょう。
医師の問題があります。
がんに限らず大病となると、どの先生に診てもらうかによっては命に関って来ますから誰しもが一番悩む問題と思います。日本の名医とか、日本の腫瘍専門医などと、インターネット情報やさまざまな雑誌でも紹介されてはいますが、がんと言う病気には100人の患者がいれば100通りの治療が求められると言われるほどで一つとして同じ種類のものがないといわれています。全ての種類のがんに精通した医師を探すことは不可能に近いのが現実です。遠くの名医と言われる医師にかかるより自宅の近くで、ある程度設備の充実した病院があれば、そこで治療を受ける事をお勧めします。
3. 主治医とよく話しましょう。
・・がんについて、抗がん剤治療について、主治医に良く聞きましょう。
ガンが、どの種類のガンか、どのくらいの病巣で広がっているのかの診断が2〜3週間ほど行われます。この診断は、脳や胸のCTやMRI、腹部のCTや超音波検査、骨髄液の検査や血液検査など、様々な方法が用いられます。また、最近では感度の高い病期診断方法として、PET(陽電子放出断層撮影)と呼ばれる検査が行われる場合も増えてきました。(日経BP・がんナビ参照)

診断・検査の結果、病期が判明したら医師からこれから始まる治療について説明があります。ガン治療には主に3つの方法、外科治療、放射線治療、抗がん剤による化学療法がありますがどの治療法を行うかは、がんの種類や病期、患者の状態などによって主治医より説明がありますので、この時点で納得が行くまで先生と良く話し合ってください。

話し合いには、医師の了解が得られるなら、なるべく冷静に聞いて的確に質問をしていただける家族や信頼のできる友人などに同席してもらう事も大切です。ご自身では、ガンと言われてしまった時から多少のパニック状態になっていることもありますのでどのようなことを尋ねたらよいのかなど要領を得ないこともあります。質問をしていただける同席者がいればより安心かと思います。
4. 家族と良く話し合いましょう。
・・患者に対するサポートや付き添い方について。
ガン治療に家族のサポートは一番大切です。特に、肺がんと宣告された患者は、その日から死と隣り合わせの生活が始まると言っても過言ではありません。平常心で居られるわけはありません。例え、平常と感じてもそれは平常を装っているだけで心の中は大きな恐怖心でいっぱいになっていると考えて出来る限りのサポートを心がける事が必要です。身近に見守って必要と感じる事をしてあげればよいのです。あぁしなさい、こうしなさいとか、なるべくじっとしてとか、ついつい言ってしまうものですがそれは口煩いだけで却ってイライラさせるだけ、何のサポートでもありません。それとなく患者の気持ちを察して普段と変りのないサポートが大切です。
5. 健康食品や代替医療には注意しましょう。
・・がんに効果があるとか、ガンが消えたとかの誇大な宣伝に騙されないで。
ガンが治ったとかガンに効くなどと言った健康食品や飲料などが多く出回っています。その中には、出版物と抱き合わせにして効果を説明し購入させているものもみられます。この中には何の根拠もエビデンスもない物も多く有害な物もありますから健康食品として補助的に服用を考えている場合でも主治医に相談してから服用をするようにしましょう。

ガンと宣告されると、効き目があると聞くと何でも試してみたいと思いがちで殆どの患者さんで何らかの健康食品を服用していると思います。中には月に何10万と無駄なお金を掛けている患者も少なくありません。効いたとか効くといった話には注意しましょう
6. 闘病の記録をとりましょう
・・治療のことや、食事のことなど何でも小まめに記録しておきましょう。
入院したその日から、小まめに闘病の記録を付けましょう。医師の説明や看護士の説明など、例え診療計画書があっても自身が取る記録は大切です。治療に用いた抗がん剤の種類や組み合わせ、投与日数、食事から日々の状態、副作用に関することなども出来る限りメモにしておく事は大切です。特に抗がん剤治療が開始して吐き気や食欲の減退や異常なダルさなどは、すぐにも医師に伝える参考資料になります。

また、闘病の記録は患者自身だけでなく、日ごろ付き添いをしている家族の方もメモをつけて置く事をお進めします。患者の様子を細かく観察してどのような事でも書き留めておくことは大切です。抗がん剤による酷い副作用については患者側から医師に話をしなければ、我慢が出来るものと判断されてしまい生活の質の低下の原因にもなります。全てを病院任せにしはない姿勢が必要です。
7. がん治療に大切なのは、
患者自身が、何よりガンには負けないぞと言う強い心が必要なのは言うまでもありませんが、次に、家族のサポート、そして何でも聞ける・話せる病院・医師との連携、この三つが上手くかみ合えば副作用の少ない治療も可能となり、それが延命にも大きく影響すると言っても過言ではないと思います。

病院に対する不信などから、患者やその家族が、治療法や治療薬を調べて医師に対して要求するケースもあるようですが、決して良い選択とは思えません。インターネットの情報や様々に出回っている情報の中には、全てが間違いとは言いませんが、その情報が自分のガンに合っている情報かどうかについては分りません。医療に関する専門知識を持たない患者側にとって、氾濫する情報の中から自己に有用な情報を入手し、最適な治療方法を選択することは不可能に近く容易な事ではありませんから、専門の医師に任せ、自分に合った治療方を選択してもらう。まずは、今・掛かっている医療機関を、医師を信じて治療を任せましょう。
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ガンによるわが国の死亡者数は、厚生労働省の「2016年人口動態統計月報年報」によると、368.103人で、全死因の中の第一位、約三割を占めています。死亡者数は年々増加傾向にあり治療法はかなり進歩して来たとは言え、ガン種によってはまだまだ根治は不可能で、如何に延命させるかの治療が多く行われているのが現状です。しかし、いつの日か必ず,人間がガンを制圧する日が必ず訪れます。希望を失わず頑張りましょう。

 
 


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