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第16回 薬害根絶デー (2015年8月24日)
 今から16年前の1999年8月24日,厚生労働省の前庭に,「薬害根絶 誓いの碑」が建立され,サリドマイド・スモン・薬害エイズなどの悲惨な薬害を引き起こした反省と謝罪がここでなされました。しかし,今なお新たな薬害が生み出されております。私たち団体も加盟する,(全国薬害被害者団体連絡協議会 (略称・薬被連)は,薬害の根絶と被害者への適切な救済を願い,毎年8月24日を薬害根絶デーと位置づけて,文部科学省交渉,厚生労働省交渉,リレートークや「碑の前の誓い」など,一連の薬害根絶行動を行っています。
文部科学省交渉 (10:00〜11:30)を行いました
 全国薬害被害者団体連絡協議会に加盟する団体の約30名は、東京・千代田区霞が関の文部科学省12階総務課会議室において、事前に提出している要望書に沿って交渉を行いました。今年の交渉は大臣,副大臣の出席は政務の都合上叶わず,前川文部科学審議官に参加していただき,夫々の担当部署からは,生涯学習政務局社会教育課,初等中等教育局教育課程課,初等中等教育局教職員課教員免許企画課,高等教育局医学教育課,スポーツ・青少年局学校健康教育課より参加いただき,事前に提出の要望書沿ってその進捗状況等交渉を行いました。
●午前10時より11時30分の一時間半,要望書の内容に沿って要請を行い,それぞれの担当部署より回答していただきました。
文部科学省への要望書pdf
●薬被連よりの参加団体は以下の11団体です。
 ・財団法人 いしずえ(サリドマイド福祉センター)
 ・イレッサ薬害被害者の会
 ・MMR(新3種混合ワクチン)被害児を救援する会
 ・財団法人 京都スモン基金
 ・大阪HIV薬害訴訟原告団
 ・東京HIV訴訟原告団
 ・薬害筋短縮症の会
 ・陣痛促進剤による被害を考える会
 ・スモンの会全国連絡協議会
 ・薬害ヤコブ病被害者弁護団全国連絡会議
 ・薬害肝炎全国原告団

■リレートーク (厚労省前・11:45〜13:00)
11:45〜,厚生労働省前において,薬害根絶デー実行委員会の企画によるリレートークが約1時間に渡って行われ,
大勢の参加者の皆さまより薬害の根絶に向けたメッセージ,訴えが行われました。
●厚労省の正面は多くの被害者団体のみなさんや支援の皆さんで溢れました。薬害根絶運動を支えるたくさんの学生の皆さんも,日比谷公園側から,これまでに起された薬害の横断幕を掲げてアピールしていただきました。
その中で訴えました。
薬害の悲惨さを!!。
薬害の根絶を!!。
ことしも,薬害タミフル脳症被害者の会の方たちも参加して訴えました。HPV(子宮頸がん)ワクチン被害者の皆さんも訴えました。
  

■碑の前交渉 (厚労省中庭・13:00〜13:20)
●薬害の根絶を願って建てられた「誓いの碑」,前での交渉では,毎年,厚生労働大臣大臣の出席をお願いして参りましたが,今年は国会の予算委員会での大臣答弁の都合上対応は,永岡副大臣に出席していただき,全国薬害被害者団体連絡協議会に加盟する11の団体のメンバーが見守る中を,団体代表の花井十五より,永岡副大臣に要望書を提出しました。
薬害根絶誓いの碑は,平常はこんもりとした木々に囲まれた佇まいの中にひっそりとして,ここにこのような悲しい碑が建てられていることなど,関係者以外に知る人は多くはありません。

1年に一度,薬害根絶デーの8月24日のこの日は,悲しみや苦しさを乗り越えてきた多くの被害者たちが,二度と再び薬害は発生させないでくださいと・・・訴え続けて,今年で16年目を迎えます。
厚生労働省への要望書pdf
HPV(子宮頸がん)ワクチン被害者の皆さんは,車椅子での参加で,被害の実情を訴え,早急な救済と被害の実態の調査・検証に関する要望書を提出しました。
■つづいて厚労省交渉を行いました (厚労省1階共用会議室において・・14:00〜16:00)
◆薬害被害者団体からは加盟する11の団体の約30名。厚労省からは,医薬食品局,健康局,医政局,保険局から17名に出席していただき,これまでに要望してきました問題に関しての進捗状況,新たな要望についての問題等交渉をおこないました。
薬被連のメンバーによる厚労省交渉が行われる一方で,千代田区立日比谷図書文化館地下・コンベンションホールにおきまして,「薬害根絶活動の到達点と課題を考える」と題する集会が(2時〜4時)多くの参加者の中で開催されました。厚労省交渉終了の後で途中参加を予定しておりましたが,交渉が5時近くまでと長引きました関係で,参加することができませんでした。従いましてこの集会の模様や写真等をお伝えすることが出来ません。たいへん申し訳ございません。
■有楽町マリオン前宣伝 (17:30〜18:30)
今年の薬害根絶デーの締めくくりに今年も,多くの人で行き交う銀座マリオン前で,今一度・・薬害の根絶を訴えようと、30人余りの皆さんと共に訴えました。 薬害根絶と書かれたうちわを配って訴えました。

この薬害根絶デーには、たくさんの薬害被害者の皆さんが参加しました。
スモン被害の皆さん・・整腸剤キノホルムによる薬害で歩行困難となり、視力障害も伴う、被害者数は12.000人にも及んだという薬害被害です。
サリドマイド被害の皆さん・・催眠、睡眠、鎮静剤として1950年代に世界十数ヶ国で販売された薬で、その催奇形性により数千名の被害児が生まれ、今もさまざまな後遺症に悩まされ続けているという被害です。
HIV(エイズ感染)被害の皆さん・・米国売血由来非加熱血液製剤を使用していた日本の血友病患者、約5000人が次々とHIV(エイズウイルス)に感染し、感染者約1500人のうち592名(2006年9月現在)が死亡。生存被害者も重複感染したC型肝炎を抱え厳しい闘病を余儀なくされているという被害です。
ヤコブ病(CJD)被害の遺族の皆さん・・脳外科手術により移植された脳硬膜(ヒトの死体から採取され医療材料としてドイツから輸入)が原因で生じました。CJDは、治療法もなく発症から約2ヶ月で植物状態となり、1〜2年以内で多くが死に至る恐ろしい病気で、被害総数108名となり今も増加を続けているという被害です。
陣痛促進剤による被害に遭った皆さん・・陣痛を誘発・促進する薬で人工的にお産を早めた結果、母親や胎児が死亡したり、重大な後遺症が残ったりする被害です。
新3種混合MMRワクチン被害の皆さん・・1989年4月に導入された新3種混合MMR(M:はしか、M:おたふくかぜ、R:風しん)ワクチンにより無菌性髄膜炎を多発させ、180万人接種で約2千人に被害を及ぼし、死亡・重篤な後遺症も発生、認定被害者数は予防接種史上最多の1040人にも上っているという被害です。
筋短縮症被害に遭った皆さん・・医療制度の運用に基づく風邪・発熱の症状に対して不必要な薬剤注射が打たれ、この結果正常な身体で生まれた子どもが成長すると共に、手足の障害のみでなく、精神的な苦痛を受けることになったという被害です。
薬害C型肝炎ウイルス被害の皆さん・・出産時や外科手術時の出血の際、フィブリノゲン製剤や第\凝固因子製剤などの血液製剤を投与され、多くの患者がC型肝炎ウィルス感染被害を受けました。三菱ウエルファーマ(旧ミドリ十字)の推計によると、1980年以降にフィブリノゲン製剤の投与を受けてC型肝炎ウイルスに感染した患者は少なくとも1万人以上いるといわれている被害です。
イレッサ副作用被害で家族を亡くした皆さん・・2002年7月に世界に先駆けて販売された肺がんの治療薬。副作用が少ない夢の新薬と多くの専門医や製薬会社、厚労省が推奨したことで、がん患者たちは疑うことも無く服用した結果多くの患者が死亡。その人数は843人にも上り今も増加しています。あまりにも軽く扱われる「肺がん患者の命の重さ」を国と製薬会社に問い提訴して戦いを続けているという被害です。
◆今年も,薬害タミフル脳症被害者の会の皆さん・・も参加しました。タミフル服用後に,異常行動により事故死した方の家族や,突然死した方の家族,実際に異常行動を起こし恐怖をあじわった本人や家族が,体験した事実と専門家による裏づけにより,タミフルの危険性を周知することで,これ以上の被害を防ぐことができると活動続けています。
   ・・・薬害被害の当事者や、家族を亡くしたその遺族には、苦しみや悲しみの時効はありません。
   ・・・亡くなった命が蘇ることはありません。
   ・・・被害を受けた身体は二度と元には戻りません。
   ・・・被害に遭ってからでは遅すぎるのです。
   ・・・だから,私達は訴えます。
   ・・・だから、私たちは行動します。
   ・・・薬害の根絶を願って!!
このページはイレッサ薬害被害者の会が薬害根絶デーのご報告用に作成したものです。
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