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HOME > イレッサ訴訟に関する最高裁判所の判断> 最高裁判決についての原告側の声明


薬害イレッサ訴訟について

〜 最高裁への上告棄却決定に対する原告側の声明 〜
 2013年4月12日、最高裁判所は、薬害イレッサ東日本訴訟についてアストラゼネカ社の法的責任を否定する判決を言い渡しました。
 これにより、4月2日に出されました国に対する上告の棄却決定とあわせ、薬害イレッサ東日本訴訟は、国と企業の責任を否定する判決が確定し原告側の完全敗訴となりました。
 2012年6月5日に上告していた西日本訴訟についても、本日、同様の判断決定が下されましたので、2004年の提訴から9年余にわたる薬害イレッサ訴訟は終結いたしました。
 最高裁の判断は、イレッサの添付文書に欠陥はないとした東京・大阪高裁の判断を支持した内容で、抗がん剤治療とは専門医が行うものであり、それぞれの医師が添付文書をしっかりと読み説いていればこの被害は起きなかったと結論づけました。
 2011年3月23日に下された東京地裁の、「医師の1〜2人が添付文書を読み誤ったというのであればともかく、多くの医師が読み誤ったと考えられるときには、医師に対する情報提供の方法が不十分であったとみるべきである。」というこの東京地裁の判断を無視した最高裁の判決は、将来に大きな禍根を残すことは間違いなく残念としか言いようがありません。
 しかし、この訴訟が起こされて以降のがん医療の発展は目覚しく、イレッサの使用に関してはインフォームド・コンセントが行き渡り、慎重使用を促すための添付文書の改訂が行われました。また、迅速承認でこそ安全対策が重要であることを再認識させ、その結果、抗がん剤の承認においては、使用患者の全例登録調査を原則とする運用が定着しました。薬害イレッサ訴訟を通じて行った承認のあり方と安全対策のあり方に関する問題の提起は、薬害肝炎検証委員会提言に反映されるとともに、多くの制度改善を促しました。また、被害者が求めていた適応の限定も実現しています。
 しかし、抗がん剤の救済制度の創設を始め、実現していない多くの課題も残されていますので、今後も、がん患者の命の重さを問い、正義を求め、薬害根絶のため、引き続き力を尽くす所存です。
 最後に、薬害イレッサ訴訟について多大なご支援をいただいた方々に心からお礼を申し上げます。
2013年4月12日
イレッサ薬害被害者の会
代表 近 澤 昭 雄



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