2002 年7 月、申請からわずか5 か月余で早期承認された肺がん治療薬イレッサは、販売直後から間質性肺炎等の副作用被害が多発しました。副作用死亡者数は、発売から半年間(2002年末まで)で180人、発売2年半(2004年末まで)で557人にも達しています。他の薬剤、あるいは副作用が避けがたいとされる抗がん剤でもこれほどの被害を出したものは他にはありません。 |
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イレッサは承認以前から、間質性肺炎等による死亡例が相次いで報告されていましたが、それらは全く適切に評価されず、医療現場にも伝えられなかった一方で、アストラゼネカ社は、イレッサを「がん細胞を狙い撃つ分子標的薬」であり、「副作用は少なく軽い」との情報を幾重にもわたり流し続けました。そのため、医療現場では、間質性肺炎等に対する危険性が十分に注意されないままイレッサが使用され、未曽有の被害を出したのです。 |
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2011 年2月の大阪地方裁判所判決、3月の東京地方裁判所判決はともに、承認当時に企業が把握していた情報に照らし、承認当時の添付文書(説明文書)には間質性肺炎が致死的であるとの十分な注意喚起がなく、製造物責任法上の責任があると判断しました。東京地裁判決は、さらに、企業に対する十分な行政指導を怠った国の法的責任も認めました。 |
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しかし、東京高等裁判所は、わずか2 回の審理をしただけで2011 年11月、企業と国の責任を否定する逆転判決を下しました。大阪高等裁判所も2012年5月、国と企業の責任を否定する判決を下しました。いずれも、承認前に相次いだ死亡報告を著しく低く評価し、実際に医療現場に危険性が伝わっていなかったことを無視した判断です。両高裁判決の論理は、危険性は疑いの段階で対処しなければならないという、これまでの薬害事件の教訓を無視して、薬害の拡大を許すものです。 |
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薬害根絶のために、このような両高裁判決の判断が確定することは認められません。 |
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そこで私たちは、最高裁判所に対して、公正な判断を求めるための10万筆署名運動に取り組んでおります。 |
皆様のご協力をお願い致します。 |
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2012年8月
薬害イレッサ統一原告団
薬害イレッサ弁護団 |
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