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 イレッサ薬害被害者の会

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第13回 薬害根絶デー (2012年8月24日)
 薬害根絶デーが開催されるに至った経緯は,今から13年前の1999年8月24日,厚生労働省の前庭に,「薬害根絶 誓いの碑」が建立され,サリドマイド・スモン・薬害エイズなどの悲惨な薬害を引き起こした反省と謝罪がここでなされました。しかし,今なお新たな薬害が生み出され,適切な救済がなされぬまま被害と闘う毎日が続いております。私たち,薬害被害者団体(全国薬害被害者団体連絡協議会)は,薬害の根絶と被害者救済を願い,毎年8月24日を薬害根絶デーと位置づけて,文部科学省交渉,厚生労働省交渉,リレートークや「碑の前の誓い」など,一連の薬害根絶行動を行っています。
文部科学省交渉 (10:00〜11:30)を行いました
 「全国薬害被害者団体連絡協議会(薬被連)」に加盟する団体の約50名は、東京・千代田区霞が関の文部科学省12階総務課会議室において、事前に提出している要望書に沿って交渉を行いました。今年の交渉は,高井文部科学副大臣に参加していただけるとの予定でしたが,公務の都合で出席が出来ないということで,山中伸一文部科学審議官,はじめ,生涯学習政策局男女共同参画学習課長,初等中等教育局教育過程課教育課程研究開発分析官,高等教育局医学教育課長,スポーツ・青少年局学校健康教育課健康教育調査官に出席いただき,薬被連代表・花井より要望書を手渡しました。
午前10時より11時30分の一時間半,要望書の内容に沿って要請を行い,それぞれの担当部署より回答していただきました。
文部科学省への要望書pdf
●薬被連よりの参加団体は以下の11団体です。
 ・財団法人 いしずえ(サリドマイド福祉センター)
 ・イレッサ薬害被害者の会
 ・MMR(新3種混合ワクチン)被害児を救援する会
 ・財団法人 京都スモン基金
 ・大阪HIV薬害訴訟原告団
 ・東京HIV訴訟原告団
 ・薬害筋短縮症の会
 ・陣痛促進剤による被害を考える会
 ・スモンの会全国連絡協議会
 ・薬害ヤコブ病被害者弁護団全国連絡会議
 ・薬害肝炎全国原告団
         

11:45〜,厚生労働省前において,薬害根絶デー実行委員会の企画によるリレートークが行われ,200人を超える大勢の参加者の皆さまより薬害の根絶に向けたメッセージ,訴えをして頂きました。
リレートーク (厚労省前・11:45〜13:00)
約200人の人たちが厚労省前を埋めつくし、
薬害防止・薬害根絶を訴えました。

この日の東京・霞ヶ関,
お昼ころの気温は35度近くの焼け付くような猛暑。
厚生労働省前の通りは人・人・人で埋め尽くされて
薬害根絶を訴える人いきれ,熱気で溢れました。

薬害を発生させないで!!
企業の利益より人命を大切にしてと!!
訴えました。
今年も,C型肝炎被害の原告の皆さんたちが全国から大勢参加して,リレートークでも訴えました。
薬害C型肝炎は,まだまだ解決しなければならないことはいっぱい残されたままなのに,国の対応は遅々として進みません。今も,被害者たちは命を落とし続けていることを,もっと,もっと真剣に考えてください。
私達の命を,いったい何と考えているのですか・・・
声を枯らして訴えました。
薬害イレッサ訴訟からも訴えました。
提訴から8年を経て,今・最高裁の審判を待っています。
一刻も早い解決をと訴えました。

そして,
抗がん剤による被害の救済制度の創設に向けた取り組みについての検討会の再開を訴えました。
スモンの被害者が悲惨な経験を訴えました。
サリドマイドの被害者も訴えました。
ヤコブ病の被害で家族を亡くした遺族,

今年もタミフルの会も参加しました。
そして被害への思い,悔しさを訴えました。


この日のために
北海道からも,九州からも駆けつけていただきました。
一年ぶりにお会いするお顔も見られました。
体には薬害被害の障害を抱えても,
心の中の悔しさに絶えながら
それでも・明るく元気で
参加していただきました。
大勢の学生のみなさんが,厚労省前・日比谷公園側に立って,これまでに起こされた薬害被害のプラカードを掲げ,通行中の車に,厚労省の職員のみなさんに,起こされた薬害被害への無言のアピールをしていただきました。
国会議員からは,民主党衆議院議員の本多平直先生,みんなの党の川田龍平先生,共産党の高橋ちづ子先生が駆けつけていただき,薬害被害者に対して暖かい励ましと,国会の中ではより一層の薬害の防止への尽力を約束していただきました。
民主党衆議院議員の本多平直先生は
私達が訴えている,イレッサの副作用被害によって
大勢の死亡者が出ていることに関し,
発生当初より,国の対応について,
企業の医薬品の安全性の取り組みにについて,
厳しく指摘,改善の必要性についても
共に訴えていただいています。
共産党の衆議院議員・高橋ちづ子先生は
いつも,被害者の視点に立って,
国会の中でも声を枯らして,
被害者に対する保障の問題,
早期救済の問題について,
政府に対し問題を指摘,
解決を迫っていただいています。
みんなの党の川田龍平議員は
国民のみなさんの殆どがご存知のことと思いますが
HIV感染被害者として,裁判では原告たちの先頭に立って
まさに,命を削ってもと,
被害の悲惨さと,国は早急な対応をと訴え,原告たちと共に薬事法の改正までも成し得ました。
今では,多くの,薬害被害者の願いを胸に
参議院議員として,日夜,国民の命の問題をテーマに
活動続けています。
※ご挨拶の順番で写真の掲載をさせていただきました。
11時45分より始まった厚労省前でのリレートークは,酷暑・熱風にも負けることなく,一人の体調不良者もありませんでした。
多くのみなさんよりメッセージをいただき,夫々の団体の皆様よりの連帯の挨拶をいただき終了して,次の厚労省中庭に建立されている「薬害根絶誓いの碑」の,碑の前交渉と続きました。

碑の前交渉 (厚労省中庭・13:00〜13:20)
●薬害根絶を願って,1999年8月24日に建立された「誓いの碑」の前で全国薬害被害者団体連絡協議会に加盟する11の団体のメンバー参加の中,団体代表の花井十五より,小宮山厚生労働大臣に要望書を提出しました。
政局的情勢で,大臣の出席は難しいのではとの予測もありましたが,出席していただき要望書を受け取っていただきました。小宮山大臣は,メッセージで,これまでに繰り返されてきた薬害被害の悲惨さを心に刻み厚労省としてしっかり国民の命をまもる薬事行政に努めてまいりますと述べていただきました。
厚生労働省への要望書pdf
●通常は,ここ・厚労省の中庭は身分証の提示を受けて許可を得なければ立ち入ることはできませんが,この日は正面に立つ守衛の方たちも,薬害根絶デーを理解していただいて検閲は省略という配慮をいただきました。
薬害根絶誓いの碑の前が,こんなにも大勢の人たちで賑わうのは,この日・薬害根絶デーの8月24日をおいて他にありません。その時々の医療を信じ,国の医薬品の承認制度を信じ,製薬会社の薬を信じて受けた治療によって,被害に遭い亡くなって行った方達が,この黒く輝く碑の奥で,じっと,見つめているような気がいたします。
碑の奥底から・・薬害の根絶を訴える声が聞こえます。
ここは,被害者たちの鎮魂の場なのです。
厚生労働省交渉 (14:00〜16:00)
リレートーク,そして,碑の前の交渉のあと,薬被連に加盟する11の団体による厚労省交渉が,厚労省1階共用会議室において行われました。,厚労省より出席の各部署の担当官の皆様へ,要望書に沿って質疑応答・意見交換を行いました。
厚生労働省への要望書pdf
14:00〜15:30 ワークショップ・・薬害被害者との交流・・が日比谷コンベンションホールと弁護士会館の二箇所に分けて行われました。参加者は,聞きたいと思った薬害被害を自由に選んでいただき被害の当事者を囲んで自由に話し合うという方法で行われました。
●16:00〜より,長い一日の最後となります集会
日比谷コンベンションホール・(旧・都立日比谷図書館内地階)
において17:30まで開催されました。
会場は200名をこえる参加者で一杯となりました。
この会の開催に向けて,早くから準備等でご尽力いただきました実行委員のみなさま,そして,大勢の学生の皆さまに支えていただき心から感謝いたします。本当に有難うございました。
そして,薬害被害に対し深くご理解を頂き,さまざまなご支援を寄せていただきます多くの薬剤師の皆様,各・団体の皆様,また, 薬害対策弁護士連絡会(薬害弁連)の大勢の弁護士の皆様も全国から駆けつけ共に訴え,行動を共にしていただきました。温かなお力添え,ありがとうございます。

有楽町マリオン前宣伝
(17:30〜18:30)
今年の薬害根絶デーの締めくくりに
今一度・・薬害の根絶を訴えようと、50人余りの皆さんと共に
夕暮れ時の銀座・マリオン前で
再び訴えました。

薬害の根絶を!!・・薬害被害者の実態を。

この薬害根絶デーには、たくさんの薬害被害者の皆さんが参加しました。
スモン被害の皆さん・・整腸剤キノホルムによる薬害で歩行困難となり、視力障害も伴う、被害者数は12.000人にも及んだという薬害被害です。
サリドマイド被害の皆さん・・催眠、睡眠、鎮静剤として1950年代に世界十数ヶ国で販売された薬で、その催奇形性により数千名の被害児が生まれ、今もさまざまな後遺症に悩まされ続けているという被害です。
HIV(エイズ感染)被害の皆さん・・米国売血由来非加熱血液製剤を使用していた日本の血友病患者、約5000人が次々とHIV(エイズウイルス)に感染し、感染者約1500人のうち592名(2006年9月現在)が死亡。生存被害者も重複感染したC型肝炎を抱え厳しい闘病を余儀なくされているという被害です。
ヤコブ病(CJD)被害の遺族の皆さん・・脳外科手術により移植された脳硬膜(ヒトの死体から採取され医療材料としてドイツから輸入)が原因で生じました。CJDは、治療法もなく発症から約2ヶ月で植物状態となり、1〜2年以内で多くが死に至る恐ろしい病気で、被害総数108名となり今も増加を続けているという被害です。
陣痛促進剤による被害に遭った皆さん・・陣痛を誘発・促進する薬で人工的にお産を早めた結果、母親や胎児が死亡したり、重大な後遺症が残ったりする被害です。
新3種混合MMRワクチン被害の皆さん・・1989年4月に導入された新3種混合MMR(M:はしか、M:おたふくかぜ、R:風しん)ワクチンにより無菌性髄膜炎を多発させ、180万人接種で約2千人に被害を及ぼし、死亡・重篤な後遺症も発生、認定被害者数は予防接種史上最多の1040人にも上っているという被害です。
筋短縮症被害に遭った皆さん・・医療制度の運用に基づく風邪・発熱の症状に対して不必要な薬剤注射が打たれ、この結果正常な身体で生まれた子どもが成長すると共に、手足の障害のみでなく、精神的な苦痛を受けることになったという被害です。
薬害C型肝炎ウイルス被害の皆さん・・出産時や外科手術時の出血の際、フィブリノゲン製剤や第\凝固因子製剤などの血液製剤を投与され、多くの患者がC型肝炎ウィルス感染被害を受けました。三菱ウエルファーマ(旧ミドリ十字)の推計によると、1980年以降にフィブリノゲン製剤の投与を受けてC型肝炎ウイルスに感染した患者は少なくとも1万人以上いるといわれている被害です。
イレッサ副作用被害で家族を亡くした皆さん・・2002年7月に世界に先駆けて販売された肺がんの治療薬。副作用が少ない夢の新薬と多くの専門医や製薬会社、厚労省が推奨したことで、がん患者たちは疑うことも無く服用した結果多くの患者が死亡。その人数は843人にも上り今も増加しています。あまりにも軽く扱われる「肺がん患者の命の重さ」を国と製薬会社に問い提訴して戦いを続けているという被害です。
◆今年も,薬害タミフル脳症被害者の会の皆さん・・も参加しました。タミフル服用後に,異常行動により事故死した方の家族や,突然死した方の家族,実際に異常行動を起こし恐怖をあじわった本人や家族が,体験した事実と専門家による裏づけにより,タミフルの危険性を周知することで,これ以上の被害を防ぐことができると活動続けています。
・・・薬害被害の当事者や、家族を亡くしたその遺族には、苦しみや悲しみの時効はありません。
・・・亡くなった命が蘇ることはありません。
・・・被害を受けた身体は二度と元には戻りません。
・・・被害に遭ってからでは遅すぎるのです。
・・・だから,私達は訴えます。
・・・だから、私たちは行動します。

・・・薬害の根絶を願って!!


このページはイレッサ薬害被害者の会が薬害根絶デーのご報告用に作成したものです。
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