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今回、NCI(国立がん研究所)が今回行った比較臨床試験は、(1)放射線化学療法〔抗がん剤(シスプラチン及びエトポシド)+放射線〕(2)抗がん剤〔ドセタキセル〕・・による治療を行った患者に対し、その後の維持療法として、ゲフィチニブ投与群とプラセボ投与群の比較臨床試験です。・・・この臨床試験でも、延命効果は認められませんでした。 |
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アストラゼネカ社が、これまでに行ってきた延命効果を証明するための臨床試験では、
(1) 2002年の夏ごろにINTACT試験という試験で、ほかの抗がん剤と同時に使った場合、偽薬と比べて延命の効果に差がなかったという結果が出ました。
(2) 2004年の暮れに、ISEL試験という試験で、ほかに治療法のない患者さんに、偽薬と比べて延命に差がなかったという結果がでました。
(3) 2005年3月にS0023試験という試験で、放射線治療を受けた後の患者さんに使った場合、生存期間を延長しなかったという結果がでました。
この発表を受けても、厚生労働省は・・今回試験の対象となった維持療法でのゲフィチニブ投与は国内の通常の肺がん治療としては行われていないことから、「念のため、製薬企業に対し今回の研究発表について医療関係者に情報提供するよう指導するとともに、日本肺癌学会に対し、ゲフィチニブ使用ガイドライン改訂の必要性について検討を依頼する」としています。
今回の臨床試験でも解るように、イレッサには延命効果がなかった事が又も証明されたのですが厚労省の対応は、「日本の医師たちは通常の肺がん治療としてはこういった使い方をしていないので、別に役に立つデータとならない」と又も患者に背を向けたコメントしているのです。
これまで3回も行われた臨床試験結果に於いて、生存期間の延長は認められなかった、との試験結果が出ましたが延命効果が得られなかったという事態を真摯に受け止め、患者の命を守るという主体性は厚労省にはまったくないようです。
東洋人に・日本人だけに・・効くか? 効かないのかもはっきりと解らない状態で、証明もされないままに、このまま使用継続を許してよいものでしょうか。
今まさに、このイレッサを通して日本の医療が問われています。イレッサを賞賛する日本の医師たちの倫理が問われ、動向が注目されていると言っても過言ではありません。私たちは、「1人1人の患者の命を守る」、医療の原点に戻った対応を期待して止みません。 |
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2005年5月18日
イレッサ薬害被害者の会 |
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