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 イレッサ薬害被害者の会

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イレッサ薬害被害者の会は、2004年(平成16年)6月21日、肺がん治療薬イレッサの販売元・アストラゼネカ社(大阪市北区)に対して、死亡被害を含む副作用被害を多発させている責任を認め謝罪と原因調査とその結果の公表、被害者に対する賠償等を求め,同社を訪れ以下の申入れを行いました。



2004年(平成16年)6月21日
申 入 書
〒531-0076
大阪市北区大淀中1-1-88
梅田スカイビルタワーイースト
アストラゼネカ株式会社 御中
イレッサ薬害被害者の会
代 表  近 澤 昭 雄
〒604-8186 京都市中京区烏丸御池東入
アーバネックス御池ビル東館6階
御池総合法律事務所
075-222-0011 fax075-222-0012
弁護士  永 井  弘 二
第1 申入の趣旨
イレッサの副作用として重篤な肺障害により死亡した被害者・遺族の内、既に貴社に判明している者らに対し、直ちに、法的責任のあることを認め、心から謝罪すると共に、適正な損害賠償金を支払うこと。
イレッサの副作用の状況を追跡調査し、全ての被害者・遺族を明らかにすると共に、その被害者・遺族に対し、1項と同様の措置を取ること。
イレッサによる薬害被害を発生させたことにつき、真摯に反省すると共に、薬害発生の原因を究明し、二度とこうした医薬品などの副作用等による薬害を発生させないことを誓約すると共に、薬害防止に向けたあらゆる措置を取ること。
3項における原因調査の結果、並びに薬害防止のために講じた措置につき公表すること。
第2 申入の理由
イレッサ薬害被害者は、貴社が輸入販売したイレッサ(一般名:ゲフィチニブ )の副作用により、重篤な肺障害を発症し死亡しました。医薬品は、本来、人体に対して異物・毒であるということをその本質としており、人体に有害な作用を伴う危険性を常に内包しています。したがって、製薬企業が、医薬品、とりわけ新規医薬品の開発、輸入を行うにあたっては、その安全性を十二分に確認する高度の注意義務を負っていることは多言を要しません。
しかるに貴社は、海外におけるイレッサの臨床試験の結果や、我が国における臨床試験外のイレッサ使用の結果、イレッサにより急性肺障害を発症する可能性を認識しながら、これに対して十分な考慮を払うこともなくイレッサの輸入承認を得て、大々的に販売しました。のみならず、貴社は、イレッサ承認申請前の2000年12月には、臨床試験担当医師から、「生命を脅かす、入院の延長を要する、医学的措置を要する事象」として急性肺障害を発症した症例報告を受けながら、その後、厚生労働省には、「因果関係は否定できないが、他の薬も併用しており原因剤の特定は困難」という企業意見をつけて報告してイレッサとの因果関係を曖昧にしようとし、また、2001年8月には 、動物実験の結果、イレッサにより肺障害が悪化するという報告を受けていながら、イレッサ承認後までこれを厚生労働省に報告せずに秘匿するなど、イレッサによる急性肺障害発症の可能性を認識しながら、これを隠蔽しようとしたと共に、イレッサ承認審査過程においても、イレッサによる急性肺障害発症の可能性について、添付文書へ記載することに抵抗するなどしました。
このように貴社は、イレッサの副作用により、重篤な急性肺障害を発症し、死亡に至る可能性のあることを十分に認識していたのであるから、本来、こうした副作用がどのような機序により発症するのかについて十分な検討を行い、副作用の発症を抑止する方策を講じた上で販売するべきであったと言わなければなりません。また、少なくとも、イレッサの販売にあたっては、副作用として重篤な急性肺障害を発症する可能性のあることや、入院処方に限定して十分な観察を行うことを厳重に警告するなど、あらゆる方策を通じて、イレッサによる重篤な肺障害の発症を抑止すべきであったことは明白です。 しかるに貴社は、こうした注意義務を尽くさなかったばかりか、イレッサによる肺障害発症の可能性に係る情報を隠蔽してきたのであって、その責任は極めて重大であると言わなければなりません。
以上により、本申し入れに至った次第です。
なお、以上の申し入れに対して7月5日までにご回答下さい。私たちの申し入れに対して、貴社から誠意ある回答が得られない場合には、直ちに提訴する予定であることを申し添えます。
以 上





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