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裁判報告 |
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■原告側証人・福島雅典先生主尋問報告■ |
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イレッサ弁護団 弁護士
木下正一郎 |
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平成19年5月23日,東日本での原告側証人の2人目として福島雅典先生の主尋問が行われました。 |
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福島先生は,腫瘍内科学,臨床試験デザイン・管理・評価,薬剤疫学が専門の医師で,京都大学医学部附属病院教授,探索医療センター検証部部長,同病院外来化学療法部部長をされています。 |
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東京は晴天・東日本で真夏日となったこの日,裁判が始まる少し前に時計の針を巻き戻して,ご報告を・・・ |
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●<アストラゼネカとの利益相反を問う> |
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弁護団では,タミフルで問題になった利益相反が,イレッサでもなかったのか関心をもっていました。
そこで,この日,これまでイレッサの有用性の評価に関与した人や組織と,アストラゼネカグループとの間で利益相反がなかったのか,国とアストラゼネカに明らかにするよう求めました。 |
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裁判所にその旨の求釈明書を提出するとともに,午前11時より司法記者クラブ,午後5時より厚労省記者クラブで記者発表を行いました。◆ |
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弁護団では,引き続きこの問題を追求していきます。 |
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◆求釈明申立書 −被告ら申請証人等の利益相反の有無について |
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●<大勢の支援,特に学生の応援> |
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正午から,裁判所前で支援・傍聴の呼び掛けのためのビラ配りを行いました(午後からの裁判の前には毎回必ず実施していますので,是非ご参加下さい。)。この日は,普段にも増して,大勢の支援の方,特にたくさんの学生の方が参加下さいました。はしかが大学で蔓延し休校になったという事情が手伝ったとはいえ,支援の輪が広まり多くの方が関心を抱くようになってきているのではないかと感じました。 |
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●<原告支援で埋め尽くされた傍聴席問題> |
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裁判が始まる少し前には,傍聴席はすでに8割方埋まっていました。 |
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裁判が始まると,支援の方で傍聴席がいっぱいになり法廷に入りきれない人も出るくらいになりました。福島先生の尋問を楽しみにして来られた方もいらっしゃったのに,他の多くの方に尋問を見ていただこうと,他の方に席をゆずって法廷の外で待機いただいた,支援の方,ご協力ありがとうございました。 |
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●<福島先生の尋問内容問題> |
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メインの福島先生の尋問が始まりました。 |
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福島先生には,まず,承認前にアストラゼネカから国に報告された間質性肺炎・肺障害の症例報告をご覧いただきました。これに対し,福島先生は,いずれも急激かつ重篤な経過をたどり死亡した事例,死亡しないまでも強力な治療を行って何とか回復できた事例であったと述べられ,イレッサの危険性が承認前からアストラゼネカのみならず国も把握できていたはずということを証言されました。 |
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かたや抗がん剤の有効性は延命効果で判断されるところ,イレッサが承認される時点においては,延命効果に結びつくとは言えない腫瘍縮小効果しか認められていなかったことを述べられました。 |
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これらのことからすると,イレッサは,承認時点においてリスク・ベネフィットのバランスを欠いており,決して承認されるべきではなかった,まして承認しておきながら上記のような危険性があることを警告欄に記載しないことは全く誤りであると明確に証言されました。 |
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さらに,イレッサは既存の抗がん剤ドセタキセルとの比較試験で有効性を明らかにすることが承認条件とされていましたが,今年2月1日,この試験でイレッサの有効性は立証されませんでした。この事実を踏まえ,福島先生は,承認条件を達成できなかった以上,もはやイレッサの承認は取り消されるべきであるとの証言をされました。 |
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福島先生の証言内容は,極めて明確かつ一貫しており,傍聴をいただいた方からも「分かりやすかった」「傍聴に来て良かった」という声を多数いただきました。また,初めて来ていただいた学生さんの中には,今回のことをきっかけに,支援の会に入って下さった方もいらっしゃいました。 |
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