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被告側の質問は、前回の期日(5月23日)の原告側証人として出廷された際に証言された、以下の1〜9の福島先生の主尋問の証言を元に質問されました。 |
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1).承認当時、イレッサの危険性に関するデータは充分すぎるほど蓄積されていた。報告されている症例報告書(ケースカード)の検証がきちんとされていれば、イレッサの危険性を十分認識できたはずである。 |
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2).イレッサの腫瘍縮小効果のみを有効性として承認されているが、本来の有効性はあくまで延命効果である。 |
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3).イレッサの承認は・・承認したことが誤りである。・・当時の医学的治験に照らせば、リスク・ベネフィットのバランスを明らかに欠いていた。延命効果が不明な薬であり、しかも・死の恐れのある重大なリスクを示す症例が多数あるのだから、リスク・ベネフィットのバランスを失し、承認は許されるべきでなかった。 |
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4).抗がん剤だから副作用で死亡するという考え方は、誤りである。抗がん剤の副作用で死亡することは実地臨床ではほとんどない。京都大学の外来化学療法部では、2005年の全患者818名中、抗がん剤による直接的毒性死はゼロである。 |
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5).イレッサを承認するにしても、せめて,適応(処方する病気の範囲など)を限定すべきであった。肺ガン治療で確立している標準治療を行ったが結果が得られなかった患者に限定すべき。適応限定しなかったことが被害の拡大につながる結果となった。 |
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6).全例調査には、副作用情報の集積、医療機関への注意喚起による慎重投与の効果がある。
イレッサの承認条件として全例調査が付されれば被害の拡大を防止できただろう。 |
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7).承認前に、少なくない数の、死の恐れのあった重篤な間質性肺炎例が報告されており、死との関連性が否定できない症例もあった。承認時の添付文書から、間質性肺炎について警告欄に書くべきであった。 |
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8).承認条件とされていたドセタキセルとの比較臨床試験の結果で、イレッサの非劣性(劣っていないこと)が証明出来なかったというのは、承認時の承認条件をクリアできなかったことを意味するのであり、承認は取り消すのが筋である。 |
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9).患者の自己決定権の観点から、選択肢としてイレッサを残すべきだという議論もあるが、医薬品として認めるに足りるベネフィットと安全性のない薬は選択肢とは言わない。 |
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福島先生は以上の点について、丁寧に誰にでもわかりやすく証言されました。 |
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