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 東京高裁控訴審裁判

2011年10月25日,午後3時30分より,東京高等裁判所101号大法廷において,
薬害イレッサ東日本訴訟 第2回控訴審裁判が開かれました。
●裁判直前行動
午後2時より,東京高等裁判所前において,支援の皆さんや,弁護団,原告など,約80名の皆さんに参加していただき,宣伝行動を行いました。
今回も,「イレッサ訴訟を支援する北海道」 から,井上ご夫妻が代表して,応援のメッセージが書かれたオレンジの幕を持参して駆けつけていただきました。
公害被害者の団体の公害総行動からもたくさんの皆さんが参加して頂きました。
参加の皆さまより,応援のメッセージをいただきました。たくさんの薬剤師の方たちが応援に駆けつけて励ましをいただきました。
薬害被害からもたくさんの皆さんが傍聴に参加していただきました。エイズ被害の方,薬害ヤコブ被害の方は岐阜県から,そして千葉県から駆けつけてくれました。
薬害C型肝炎原告団からはたくさんの方たちが参加して励ましのメッセージをいただきました。
●午後3:00〜東京高裁へ入廷
約80名の皆さまに支えられ入廷しました。
審理が高裁へと移って,この裁判で2回目の期日となりますが,この期日で上告審の結審を迎えるのではないかと予想されていることもあって,よりいっそうの緊張感をもって一歩一歩裁判所正門に向って歩きました。
思い半ばで今年7月に亡くなった,新潟の原告Uさんに託された思いを胸に,そして,苦しみ続けて亡くなった娘・三津子の写真を懐に抱き入廷しました。
●午後3時30分開廷しました
◆裁判は,まず原告側代理人による意見陳述が行われました。
原告側弁護団の小池弁護士より,第1版添付文書において間質性肺炎の危険性についての注意喚起が不十分であったことを意見陳述しました。
続いて,原告側弁護団の関口弁護士より,国には添付文書に間質性肺炎の危険性を十分に記載するようアストラゼネカ社を指導すべき義務があったことを述べました。
この後,原告の近澤より,発売当時,まるでビタミン剤でも渡されるように娘への処方が始まり被害にあった実態を訴え,裁判所の適正な判断を求める意見陳述を行いました。
■原告側意見陳述書
小池弁護士 意見陳述書.pdf
小池弁護士 意見陳述資料1(症例表).pdf
小池弁護士 意見陳述資料2(イレッサ添付文書).pdf
小池弁護士 意見陳述資料3(プロカルバジン添付文書).pdf
小池弁護士 意見陳述資料4(イレッサによる副作用死亡率).pdf
関口弁護士 意見陳述書.pdf
近澤昭雄 意見陳述書.pdf
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◆被告側意見陳述
まずアストラゼネカ社の代理人より陳述が行われ,先の,10月5日と6日の2夜連続で,フジテレビ・ニュースJapanで放送された,「肺がん夢の新薬・・その光と影」を証拠として提出し,この番組の内容について述べ,報道でも,イレッサの被害は被告側の責任ではないと言っているといった主旨の主張をし,原告等が主張している間質性の肺炎についても,発売,2002年当時のデータでは何も解明されていなかったのであって,この被害は仕方のない被害なのだ。それとも,販売を遅らせれば良かったと言うのか,と主張しました。
国の陳述では,イレッサは年間で1万6千人もの患者に処方されている。この使用に対して反対している原告等の主張は理解が出来ない,と述べました。
4時25分,原告,被告双方の陳述は終了
この後,園尾隆司裁判長より発言があり,すでに7年近く一審で審理が尽くされて来た。このことを踏まえ,裁判所は暫く合議を行います,と三人の裁判官が一時退席,合議の後,裁判長より・・本日の弁論で終結します,判決日は11月15日午後1時15分ですと述べられて,イレッサ裁判の上告審は2回の裁判で結審しました。
●報告集会
裁判終了後,隣接の弁護士会館1005会議室に移動して報告集会を開催しました。
裁判を傍聴した支援の皆さんのほとんどが報告集会に参加していただきました。学生の皆さん,各・団体の方々,医療関係者の皆さん,薬害被害者の皆さん,東西弁護団,報道関係などなど多くの方たちに参加していただき,大きな会議室は一杯となりました。
弁護団より,本日の裁判の中身についての説明が行われました。
特に,被告アストラゼネカが行ってきたこれまでの主張で,イレッサの死亡率は誤りであることを説明。・・05年1月の厚労省の検討会でアストラゼネカが発表した累積投与患者数42.000名には大きく実態と乖離があり,売上額やその後の患者実数と全く整合しなし点を指摘しました。
販売錠数から換算すると,2002年度の新規投与患者数はは6000名,2003年度は8500,2004年度では9500名と推定される。この数を既に報告がある死亡者数から計算すると死亡率は大きく変り,販売当初の死亡率は4.03%となり,アストラゼネカが発表している死亡率2.3%とは大きく違いが生じる点を説明。
詳しくは,小池弁護士意見陳述資料4(イレッサによる副作用死亡率).pdfをご覧下さい。
●記者会見
午後5時30分より,
司法記者クラブにおいて会見を行いました。
◆1月15日は判決です◆
上告審の判決日が11月15日・午後1時15分開廷し言渡すと決定しました。たくさんの皆さまの傍聴参加を宜しくお願いいたします。
お問い合わせ
イレッサ薬害被害者の会代表
薬害イレッサ訴訟原告団団長
近 澤 昭 雄


電話:048-653-3998
FAX:048-651-8043
mail: iressa-higainokai@nifty.com
薬害イレッサ東日本訴訟弁護団
城北法律事務所
弁護団事務局長・弁護士 阿部 哲二
弁護士 津田 二郎
担当事務員 新 庄  聖
東京都豊島区西池袋1-17-10
エキニア池袋6階
電話:03-3988-4866
FAX:03-3986-9018

次回・控訴審第裁判判決(2011年11月15日)の報告
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