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薬害イレッサ東日本訴訟
第25回目の裁判が、東京地方裁判所103号法廷で
午前10時30分より午後5時まで開かれました。
 薬害イレッサ訴訟は、東京地裁と大阪地裁の二ヶ所の裁判所で審理が行われています。東京地裁では2005年2月16日に第一回目が開かれて今回の期日で25回目となりました。裁判は、被告側の証人尋問が終わり、 今回は、前回2月23日の裁判で行われた、パワーポイントを使用したプレゼンテーションが引き続きこの期日でも行われました。次回7月16日の期日で予定されている原告への尋問が終わると、待望の結審をを迎えます。
 まず、裁判開始前に、霞ヶ関の東京地裁前において、訴訟に対するご理解と、裁判の早期解決を求めるチラシを配って訴えました。午前9時過ぎからという早い時間帯にも関わらず、多くの薬剤師の皆さんが応援にかけつけていただきました。公害被害の団体や薬害被害の皆さん、法科や薬学を学ぶ多くの学生のみなさん、この訴訟に関わる大勢の弁護士の皆さん、また今回も、北区労連から車を用意して駆け付け応援していただきました。
裁判報告
午前10時30分より、まず、製薬会社のアストラゼネカ社がパワーポイントを使用してのプレゼンテーションを行い、午後1時30分より午後5時00分まで原告側よりパワーポイントを使用してのプレゼンが行われました。
●被告・アストラゼネカ社のプレゼンテーション (10:30〜12:00)
◇イレッサの有用性と有効性について主張
肺がんの小細胞肺がんと非小細胞肺がんは共に難治であり、現在行われている標準的な治療法を用いても一年生存率は50%にも満たないのが現状であると説明。有効な治療法がない現状では死亡する危険はあってもほんの僅かに腫瘍縮小効果が認められればその抗がん剤は有効とみなして使用が許されている。
イレッサは専門家らによって研究され腫瘍の縮小効果が認められたから承認され販売が許された有用な薬剤である。一旦はEU(ヨーロッパ諸国)において承認申請を取り下げたが再び承認申請を出しているからいずれは承認されるであろうと主張。
又、アストラゼネカは、抗がん剤の育薬を主張。開発されて販売され使用して行く中で薬というものは育ち改良されて行くもので、販売当時の薬学的、医学的知見では違法性はまったく見当たらないと主張。
効いているというエビデンスはない、証明は出来ないが臨床の現場では効いていると言われる患者が多く存在しているとして複数の効いていると言う患者のビデオや要請書を例に示して、(・・いかにこのイレッサが必要であるかを述べ・・)、このように患者が必要と言ってる以上、ある程度の死亡は患者が納得していれば許される、止む得ない事であると主張。
アストラゼネカ社のプレゼンは終わりました。
●原告側によるプレゼンテーション (13:30〜17:00)
◇イレッサに関する治験・広告宣伝・承認について
イレッサは治験の段階から重篤な副作用である間質性肺炎が発症する危険が指摘されていた事、この事実を隠して承認申請が出されたこと、承認をしたことに対して国と製薬会社の誤りを主張しました。
禁止されている販売前の広告宣伝に関して、承認される一年も前からアストラゼネカが行っていた広告宣伝について、アストラゼネカが主張している、これらは学術対談記事で広告ではないとの主張を厳しく反論しました。
このイレッサ訴訟は、これまで誤解され伝わっている件について原告側代理人により間違いについて陳述しました。この訴訟で原告たちが主張しているのは、僅か5年で700名もの死亡被害者を出していることを問題としている事。そして、いまだに効果について証明示することが出来ないにも係わらずすばらしい薬として患者に説明し使用を奨励し、危険性を曖昧にして患者に不利益を与え続けている点を問題にしているのであって、希望の薬として夢の新薬の如くに販売をし続けるのであれば販売の停止を求めると主張している事を述べて、原告側のプレゼンを終了しました。

報告集会
・・報告集会が行われました
裁判終了後、午後5時10分より、霞ヶ関の弁護士会館10階において報告集会が開かれました。この報告集会には日本テレビの取材撮影が開始から最後まで行われました。今回は、裁判傍聴は初めてと言われる学生の皆さんが傍聴から、報告集会にも参加していただきイレッサ訴訟について、さまざまな質問も出していただきました。ありがとうございました。
●次回の東京地裁・裁判傍聴のお願い●
7月16日(木) ・・時間、法廷など詳細は未定です
次回は、原告の陳述が行われます。詳細が決まりま次第、当ホームページ上でお知らせ致します。引き続きまして多くの皆さまの傍聴のご参加をお願いいたします。
・・ お問い合わせ ・・
イレッサ薬害被害者の会
代表・・近澤 昭雄
電話・048-653-3998
FAX・048-651-8043
mail: iressa-higainokai@nifty.com

薬害イレッサ東日本訴訟弁護団
城北法律事務所
弁護団事務局長・弁護士 阿部哲二
弁護士 津田二郎
担当事務官  新 庄 聖
東京都豊島区西池袋1-17-10
エキニア池袋6階
電話:03-3988-4866
FAX:03-3986-9018

次回東日本訴訟・第26回(2009年7月16日)裁判報告