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薬害イレッサ東日本訴訟
裁判前の訴え
 薬害イレッサ訴訟はいよいよ大詰めとなりました。東京地方裁判所で審理されて来た東日本訴訟と、大阪地方裁判所で審理されて来た西日本訴訟も夏ごろまでには大体の審理が終わります。
 大阪地裁では急遽、浜六郎医師に対する証人尋問が再び行われることになりましたが、東京、大阪共に夏頃までには結審を向かえるのではと予想されています。いよいよ、判決の日が見えてきました。一日も早い解決を願っています。
裁判報告
今回は、裁判開始午後2時から午後5時まで、パワーポイントを使って被告・国側による意見陳述が行われました。
被告・国の用意したパワーポイントは「イレッサ訴訟・争点整理のために」と表題がつけられた50ページにも及ぶもので、国側としては、イレッサの死亡被害についての責任はまったくないと、これまでの主張を述べました。
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イレッサ承認の適法性については
◇承認時の市販後安全対策の適法性を主張
  ・・厚生労働大臣が承認時にイレッサに合理的な安全対策を講じたと主張
  ・・原告らが主張する安全対策を採らなかったことが著しく不合理とは言えないと主張
  ・・イレッサによる副作用について承認当時までに得られた知見では違法はないと主張
イレッサ承認時に、合理的な市販後安全対策を講じたかの点については
・・添付文書による注意喚起をおこなった
  ・・特別調査などによる間質性肺炎に焦点を絞った情報の収集を指導した
  ・・措置を講じなかったことが著しく不合理とは言えないと主張
承認後の責任については
  ・・承認当時の医学的・薬学的な知見ではまったく違法性はないと主張
被告側の証人は世間的にも認められた研究者であるとの主張
  ・・国側の証人は、専門的な臨床医であり優れた研究者である
  ・・学会に多数所属し、エビデンスレベルの高い研究報告が多い
  ・・高度専門医療機関における臨床経験と研究実績がある
  ・・国内外で広く評価され、治療・臨床研究に関する指導的な立場にいる
  ・・このような方たちが認めているイレッサに問題がある筈はないと主張
国側の結論は・・イレッサが有効で、有用であるとの平成14年7月当時の医学的・薬学的知見の下で当該医薬品の承認が国賠法上違法の評価を受けることはないと主張
国側のパワポイントによる陳述の最後に、国側の証人として出廷の際提出された、光富医師の陳述書の一部(以下の文言)が大きく画面に映し出されて、・・・終了しました。
 ・・・この法廷で争われているような、たとえばゲフィチニブ(イレッサ)の承認を取り消すべきであるとかいうような議論は、肺がんの専門医の会である肺がん学会や、臨床腫瘍学会では一切されていません。なぜか、それはそのようなことが考えるだに値しないというような認識であります。臨床的有用性は明らかであると、そういうふうなことで、私がこの二つの尋問を通して申し上げてきたようなことは、私自身の非常に特殊な見解でも何でもなく、肺がん学会の会員で、全員がとは言いませんが、大多数の肺がん学会の会員あるいは肺がんの臨床医が感じていることだろうと思います。

報告集会
 裁判終了後の報告集会は、今回も裁判所に隣接の弁護士会館の10階会議室で行なわれました。
 裁判もいよいよ大詰めとあって、参加された皆さんからたくさんの質問をいただきました。
弁護団からは、これまでの経緯や今後の行動予定について説明していただきました。
 たくさんの皆様に裁判の傍聴、報告集会にも参加していただきありがとうございました。
●次回の東京地裁・裁判傍聴のお願い●
◆3月3日(火)、午前10時30分〜5時・・103号法廷
イレッサ訴訟は、大詰めを向かえました。この期日は、原告側のこれまでの全ての主張を、パワーポイントを使って分かりやすく説明されます。多くの皆さまの傍聴のご参加をお願いいたします。
・・ お問い合わせ ・・
イレッサ薬害被害者の会
代表・・近澤 昭雄
電話・048-653-3998
FAX・048-651-8043
mail: iressa-higainokai@nifty.com

薬害イレッサ訴訟東日本弁護団
豊島区西池袋1-17-10
池袋プラザビル6階
城北法律事務所
電話・03-3988-4866
FAX・03-3986-9018
事務局長・弁護士 阿 部 哲 二

次回東日本訴訟・第25回(2009年2月23日)裁判報告