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◆東日本訴訟・別府先生主尋問報告◆ |
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薬害イレッサ訴訟東日本弁護団 弁護士・木下正一郎 |
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去る2007年2月7日より,ついに薬害イレッサ東日本訴訟でも証人尋問が始まりました! |
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最初の証人は,原告側証人の別府宏圀先生です。この日は,原告代理人より主尋問が行われました。 |
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別府先生は,1986年に「医薬品・治療研究会」という組織を立ち上げて、「正しい治療と薬の情報」(TIP)という情報誌を発行してきて,精力的に医薬品の評価に関わる活動をされてこられた医師です。 |
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別府先生は,イレッサは有効性と安全性をともに欠く薬であり,承認は誤りであったと明確に証言されました。 |
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まず,医薬品を評価するにあたっては,有効性については厳しい判断をする,安全性については,少しでも安全性を疑わせる情報が出たときには疑うことが重要であると証言されました。そして,抗がん剤の場合,通常の薬より一層慎重で科学的に厳密な検討が要求されると証言されました。 |
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イレッサについては,先日2月1日に,日本人を対象とする臨床試験で,既存の抗がん剤と比較して1年未満の生存率で劣る結果が出たことが発表されました。別府先生はこの点にも触れ,承認時点でも何ら有効性は明らかにされていなかったが,5度の臨床試験(2月1日発表が5度目です。)でいずれも延命効果が認められず,イレッサに延命効果が認められないことははっきりしていると証言されました。 |
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また,イレッサの安全性に関して,イレッサは承認前の動物実験結果,臨床試験・臨床試験外データから,重大な間質性肺炎を起こすことが明らかであったのであり,市販後の間質性肺炎の被害,調査結果によって明らかになった間質性肺炎の発症率からも,イレッサの危険性は明らかであると証言されました。 |
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さらに,承認前から危険性を示すデータがあったのであるから,間質性肺炎発症の危険性について添付文書に警告欄を設けて警告すべきであったこと,承認前からのイレッサについて副作用がほとんどなく効果のある新薬であるとの巧みな広告宣伝が行われていたことを指摘されました。 |
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最後に,今回の薬害イレッサについて,次のような警告を発せられました。承認前から,副作用がなくがんに効く夢の新薬が発売されるとの巧みな広告宣伝が行われ,患者がイレッサを使いたいと言うようにもっていった。このように患者を抱き込み,いわば患者を人質にとるような医薬品の販売方法がとられたのであり,今後も同様の薬害事件が起こると考えられる。その意味でこの問題は将来型薬害事件の最初の事件である。 |
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次回は,4月25日(水)午後1時30分より東京地方裁判所103号法廷で,被告側から反対尋問が行われます。 |
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被告らからの反対尋問に対しても揺るぎない別府先生の証言を聞くことができますので,是非傍聴にお越し下さい |
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