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薬害イレッサ西日本訴訟

肺がん治療薬イレッサの投与を受けて、間質性肺炎などの副作用によって死亡した被害者の遺族を原告とするイレッサ薬害被害訴訟は、2004年7月15日に大阪地裁に提起され、これまで15回にわたって裁判が開かれました。
イレッサは、イギリスに本社をおく世界的な製薬企業アストラゼネカによって開発された肺がん治療薬です。2002年7月5日、厚労省によって輸入承認され、日本国内で販売されていますが、これまでにイレッサの副作用により600人以上が重篤な副作用被害に遭って死亡しています。イレッサは2005年1月、欧州での承認申請を製薬会社が自ら取り下げ、2005年6月には米国食品医薬品局(FDA)が新規患者への使用を禁止する措置をとりました。
こうしたなかで、第16回裁判が開かれます。「肺ガン患者の命の重さを問う」この訴訟は、イレッサの輸入承認をした国(厚労省)と日本で販売をしたアストラゼネカの日本法人を相手どった、「がん患者の命の重さを問う」訴訟です。

 2007年 5月11日(金)
  午前10時00分〜午後4時00分
  大阪地方裁判所 202号法廷
大阪市北区西天満2-1-10
大阪地方裁判所所在地図はこちらを参照下さい
地下鉄御堂筋線・京阪電鉄淀屋橋駅下車徒歩約10分
地下鉄堺筋線・京阪電鉄北浜駅下車徒歩約10分

今回の裁判では
前回の原告側主尋問に引き続き、医薬ビジランスセンター理事長の浜六郎医師に対する被告側からの反対尋問が行われます。
 
【 訴訟の概要 】
(1)イレッサとは
イレッサ(一般名ゲフェチニブ)は、アストラゼネカ社が開発した肺ガン治療薬で、それまでの殺細胞的な抗ガン剤と異なり、癌増殖にかかわる特定の分子を標的とする分子標的薬として、承認前後から、入院の必要のない飲み薬という手軽さも手伝い、「副作用の少ない画期的な夢の新薬」として大々的に宣伝されました。イレッサの標的は、細胞増殖に関わる上皮成長因子受容体(EGFR)とされています。
(2)販売直後から副作用被害が多発
しかし、販売開始直後から、宣伝とは異なり、急性の間質性肺炎(ステロイドパルス療法が効を奏さない場合には、治療法のない致死的な疾患)等の急性肺障害の副作用症例が多数報告され、2002年10月15日には、厚労省の指示に基づき、アストラゼネカが緊急安全情報を発出し、添付文書の警告表示を改訂してきました。その後も、2003年4月までの間、アストラゼネカは、合計4回にわたり添付文書の記載を改訂し、その都度、急性肺障害に対する警告をふやしていき、原則入院処方とし、さらに急性肺障害の危険因子を記載するなどしていったのです。
(3)急性肺障害の予見可能性
イレッサにより急性肺障害が発症する可能性については、すでに臨床試験や承認前の個人輸入による使用により副作用症例が報告されており、、予見可能性があったことは明らかです。しかし、アストラゼネカは、臨床試験により急性肺障害を発症したという副作用報告やイレッサ投与により肺障害が悪化したという動物実験の結果などを厚労省に正確に伝えていませんでした。また厚労省も、海外等の臨床試験症例で重篤な肺障害を発症した事例が報告されていたにもかかわらず、そうした症例について検討をほとんど行わないままイレッサの承認をしました。
(4)アストラゼネカと国の責任
以上のように、イレッサにより致死的な急性肺障害等の副作用が発生することは、承認以前からアストラゼネカ、国ともに十分予見可能な事柄でした。したがって、アストラゼネカと国はともに、イレッサの承認、販売開始にあたっては、最低限、間質性肺炎等の急性肺障害の危険性につき、厳重な警告を行い、入院処方に限定するなど、急性肺障害の発症を抑止するためのあらゆる方途を取るべき注意義務がありました。にもかかわらず、これを怠ったために、イレッサの副作用により多くの被害者の生命が奪われたことは、きわめて深刻であり、この点でアストラゼネカと国の責任はまことに重大です。
報告集会のご案内・・裁判後に、いきいきエイジングセンターにおいて、報告集会が行われます。こちらへも、多くの皆さまのご参加を宜しくお願い致します。
次回以降の西日本訴訟の裁判期日
2007年7月30日(月)(午前10時開始)より証人尋問が予定されています(大阪地裁202号法廷)

・・ お問い合わせ ・・
イレッサ薬害被害者の会

電話・048-653-3998
FAX・048-651-8043
mail: iressa-higainokai@nifty.com
薬害イレッサ訴訟西日本弁護団
弁護団事務局長 永 井 弘 二
京都市中京区鳥丸通御地東入
アーバネックス御地ビル東館6階
御池総合法律事務所
電話075−222−0011
Fax075−222−0012