HOME > 裁判関連資料 > 西日本訴訟裁判資料 > 西日本訴訟・裁判期日のお知らせと裁判報告 >
薬害イレッサ西日本訴訟

2006年4月27日木曜日 薬害イレッサ西日本訴訟の第10回裁判は、
大阪地方裁判所202号法廷で午後1時15分より開かれました。
イレッサとは、イギリスに本社をおく世界的な製薬企業アストラゼネカによって開発された肺がん治療薬です。2002年7月5日、厚労省によって輸入承認され、日本国内で販売されていますが、これまでにイレッサの副作用により600人以上が重篤な副作用被害に遭って死亡しています。イレッサは2005年1月、欧州での承認申請を製薬会社が自ら取り下げ、2005年6月には米国食品医薬品局(FDA)が新規患者への使用を禁止する措置をとりました。
こうしたなかで、第10回裁判が開かれました。「肺ガン患者の命の重さを問う」この訴訟は、イレッサの輸入承認をした国(厚労省)と日本で販売をしたアストラゼネカの日本法人を相手どった、被害の救済を求める損害賠償請求訴訟(国家賠償訴訟)です。
この日、関東地方では冷たい雨が降り続いていましたが、大阪では爽やかな天候に恵まれ、およそ70人近い傍聴人が見守る中定刻通りに開廷しました。
 このイレッサ薬害被害西日本訴訟が始まった当初から、ずっと傍聴して頂いている多くの皆さま、薬害被害者の原告の方や被害遺族の方たち、特定非営利活動法人 ネットワーク医療と人権の皆さま、大阪民医連の薬剤師のみなさま、医療被害で苦しんでいる多くの人達の相談相手となって、裁判の支援や手助けなど懇親的に続けて来られている医療被害者救済の会代表の野間さん。医薬ビジランスセンターの浜六郎先生とスタッフの皆さま、医学生・薬学生のみなさん、大阪・高槻市からいつも仕事の合間をぬって傍聴に駆けつけて頂いてる医療関係者のKさん。薬害ヤコブ病の被害遺族の皆さまなど、たくさんの皆さまに傍聴していただきました。
今回は、薬害肝炎訴訟大阪の原告の一人でもある桑田さん。そして薬害肝炎訴訟を支える会の大阪学生支部の、たくさんの学生の皆さんが傍聴に参加して頂きました。
●この日の裁判は・・被告及びアストラゼネカ社のこれまでの主張に対する反論の弁論です。
裁判長が入廷 、全員起立一礼のあと、原告側・被告側の提出書証の確認が行われました。つづいて原告側訴訟代理人の意見陳述が行われました。
原告訴訟代理人の永井弁護士の意見陳述「イレッサの安全性についての反論」
原告訴訟代理人の住田弁護士による意見陳述「イレッサの指示・警告上の欠陥に基づく被告会社の製造物責任について」
原告側訴訟代理人の吉田雄大弁護士が「被告側の広告宣伝の虚偽・誇大性について」
陳述が行われました。この後、次回期日の確認、進行協議の打ち合わせでこの日の裁判は午後2時終了しました。
(原告側訴訟代理人の意見陳述書の全文はこちらからどうぞ)
裁判終了後の報告集会・・午後2時より
 裁判所から歩いて5分ほど、川をはさんだ向い側の中之島公会堂大会議室に移動して報告集会が開かれました。50人ほどのご参加で開場は一杯になりました。今回は、薬害肝炎大阪訴訟が2月20日に結審を迎え判決が6月21日と予定されて、また、薬害肝炎九州訴訟も2月22日に結審、判決が出されるのが8月と予定されている事から、イレッサ薬害訴訟と薬害肝炎訴訟が、お互いが共に協力して支援の呼びかけや活動をして行きましょうと言うことで合同集会となりました。
報告集会の会場の受付や案内は肝炎支援の学生の皆さんに多数協力して頂きました。

●裁判終了後の報告集会・・ 午後2時より
 裁判所から歩いて5分ほど、川をはさんだ向い側の中之島公会堂大会議室におきまして報告集会が開かれました。参加者は50人ほどでした。今回は、薬害肝炎大阪訴訟が2月20日に結審を迎え判決が6月21日と予定されて、また、薬害肝炎九州訴訟も2月22日に結審、判決が出されるのが8月と予定されている事から、イレッサ薬害訴訟と薬害肝炎訴訟が、お互いが共に協力して支援の呼びかけや活動をして行きましょうと言うことで合同集会となりました。報告集会の会場の受付や案内は肝炎支援の学生の皆さんに多数協力して頂きました。
イレッサ弁護団より、住田弁護士、吉田弁護士から本日行われた意見陳述についての解説と説明をして頂きました。肝炎弁護団から大阪の山西弁護士が薬害肝炎について、薬害肝炎が起きた原因や被害の実態など話して頂きました。
 次に、医薬ビジランスセンターの理事長で、医師でもある浜六郎先生が、確かな医師の目から見たイレッサの有害・無効性について、パワーポイントを使って分かり易く解説して頂きました。
 イレッサ訴訟西日本原告の神戸の方のお話は、少し小さめな声ですが凛として、悲しみやつらさに堪えてこの裁判に立ち向かって行きます。ご支援をお願いしますと訴えました。
 薬害ヤコブ病の被害遺族の林勲男さん。大阪民医連の山下さん。医療被害者救済の会の野間さん。薬害肝炎大阪訴訟原告の桑田さん。薬害肝炎訴訟を支える会・大阪学生支部の皆さん、大変に貴重なお話をありがとうございました。
●薬害は、絶対に起こしてはなりません。
 薬は異物であるから、一旦人間の身体に入ると副作用が起きるのは仕方がないと軽々と言われます。副作用と薬害を同じと思っている人も多くいますが、副作用と薬害被害は違います。どんな副作用が起きたとしても薬害は防がなければなりません。防ぐことは出来るのです。
薬害被害がどんなものか、その被害者になってみなければ本当の苦しさ、悲しみは分からないのです。でも・・どんなに酷い被害を受けても、どんなに悲しい差別や抗議、バッシング受けても、私たちは言えない言葉があります。・・・「あなた達も薬害被害者になってみれば..」・・という言葉です。

私たちは誰よりも薬害被害の悲しみや苦しみを、残された者の辛さを嫌と言うほど知っているからです。

本日は、裁判の傍聴から報告集会までご参加頂きありがとうございました。写真の掲載につきましては、予めご了解を頂いておりますが不都合などご座いましたら近澤までご連絡ください。
掲載の写真につきまして、当会の許可なく転載など使用を禁じます。
●次回の裁判期日のお知らせ
西日本訴訟今後の日程
 7月6日(木)第11回大阪地裁午後1時15分〜
 9月12日(火)第12回大阪地裁午後1時15分〜 
 11月13日(月)第13回大阪地裁午後1時15分〜
東日本訴訟今後の日程
 5月17日(水)第8回東京地裁103号午後4時〜
 7月19日(水)第9回東京地裁103号午後4時〜

・・ お問い合わせ ・・
イレッサ薬害被害者の会

電話・048-653-3998
FAX・048-651-8043
mail: iressa-higainokai@nifty.com
薬害イレッサ訴訟西日本弁護団
弁護団事務局長 永 井 弘 二
京都市中京区鳥丸通御地東入
アーバネックス御地ビル東館6階
御池総合法律事務所
電話075−222−0011
Fax075−222−0012
西日本訴訟(大阪地裁)・第12回(2006年9月12日)裁判報告