【用語解説】
(※)・アストラゼネカ株式会社
イギリスのロンドンに本社を置く,売上高世界第7位(2005年)の大手製薬企業で,1999年にイギリスの大手化学会社インペリアル・ケミカル・インダストリーズ社(イギリス、ロンドンのマンチェスター・スクエアに本部を置く世界有数の化学企業グループ会社で塗料から,食品やポリマー・電子部品・香料や食品添加物など機能性製品までの幅広い商品群を製造販売している。従業員は約32,000人。2008年1月2日にオランダの化学メーカー,アクゾ・ノーベルの傘下へ入った)
から医薬品部門が分離したゼネカと,スウェーデンに本拠を置き北欧最大の医薬品メーカーであったアストラが合併して誕生。日本本社を大阪市北区大淀中の梅田スカイビル内に置いている。
(※解説1)分子標的薬
正常な細胞にまでダメージを与えてしまう従来の抗がん薬と異なり,病変の原因となる特定の遺伝子やたんぱく質だけをピンポイントで狙い撃ちする新しいタイプの治療薬が分子標的薬です。正常な細胞や組織への攻撃が少ないだけに副作用が少ないといわれて効果が期待されています。ただし,患者さんの細胞組織にある分子の形の違いなどでよく効く患者さんがいる反面,重篤な副作用が出てしまうなど個人によっても効き方が異なります。現在日本で承認されている分子標的薬は,非小細胞肺がんのゲフィニチブ(商品名:イレッサ),乳がんの一部に適応するトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン),慢性骨髄性白血病・一部の消化管間質腫瘍に有効なメシル酸イマチニブ(商品名:グリベック),リンパ腫の一部に適応するリツキシマブ(商品名:リツキサン)などがあります。
(※解説2)緊急安全性情報
重篤な副作用が発生した時に,医療の現場に必要な副作用情報を迅速かつ的確に伝達する為に、,厚生労働省または製薬会社の判断で緊急的に医師に配布される文書。医薬品の副作用等に関する重要情報が記載されています。通称、「ドクターレター」「イエローペーパー」とも言います。
(※解説3)特定療養費制度
保険診療と保険外診療の混在した診療に保険給付を認める制度。以前は,診療の中に保健が適用されないものが含まれると原則としてその診療全体が保険給付外とされていました。特定療養費の基本的考え方は、高度医療を含んだ療養や,特に定められた特別サービスを含んだ全療養にかかる費用のうち基礎的部分については保険給付を行い,特別サービス部分を患者自己負担とすることによって患者の医療選択の幅を広げようとするものです。既に高度先進医療などで適用され,基礎的な診療部分に対する保険給付が行われています。
(※解説4)医薬品副作用被害救済制度
医薬品の使用に伴い生じる副作用被害について民事責任とは切り離し,迅速な救済を行うため,医薬品製造業者等の社会的責任に基づく共同事業として創設された救済制度で,この制度では,今後発生するかもしれない副作用被害に備えて,すべての医薬品製造業者等が拠出を行い発生した副作用被害の救済を行うという制度ですが,この制度の中には抗がん剤は含まれていません。
(※解説5)間質性肺炎
間質性肺炎とは、肺胞を取り囲んでいる「間質」という組織に炎症が起きたときに使われる診断名です。間質の炎症がすすむと肺は堅くなり縮んで小さくなるため肺活量が減少します。さらに進行すると肺胞での酸素と二酸化炭素の入れ替えができなくなって、呼吸不全に陥ることもあります。 間質性肺炎の原因はいろいろあり,アレルギー性のもの,突発的な原因不明のもの,薬剤性のもの,放射線によるもの,などがあり間質性肺炎をもともと持っている人は抗がん薬の使用が限られることがあります。どの抗がん薬でも副作用として間質性肺炎が起きる可能性はあり,抗がん薬の種類によって頻度は異なります。間質性肺炎の兆候を早期に発見するためには,自覚症状としては咳嗽や発熱や呼吸困難感があり,血中酸素濃度の測定や胸部レントゲン撮影や胸部CT等を行うことが大切です。
(※解説6)偽薬(placebo)
プラセボは薬と同じにみえるよう作られた物質ですが薬の成分は入っていません。 プラセボは本物の薬とそっくりにみえますが,デンプンや砂糖のような不活性物質でできています。主に調査研究で用いられています。 |