学生感想文
126〜177
東京学芸大学で,抗がん剤イレッサの薬害被害について学生の皆さんに聞いてもらいました。受講した230人ほどの学生のみなさんに感想文を寄せて頂きました。ストレートな思いを多くの皆さんにも読んで欲しいと思いましたので許可を頂きUPいたしました。 


●126 医療の現場で使われている薬が,こんなにいい加減なかたちで承認されていいはずがありません。是非訴訟にかって,イレッサでの薬害に終止符を打ってほしいと思います。
     
●127  薬害イレッサの問題は,名前で聞いたことがありましたが,内容については初めて知りました。最近の話だったのにおどろきました。ビデオや話しを聞いて,私ももっと理解を深めなければと思いました。余命が短いからといって,いつ死んでも同じだというような扱いを患者さんが受けるのはがまんなりません。紹介されていたホームページにも行ってみようと思います。

128  日本は世界で初めてイレッサを承認したととのことで,新薬を世界に先駆けて取り入れるのは良いことだけれど,せめて,危険性などをもうちょっと理解してから出来なかったのかとても疑問でした。患者も自分できちんと調べなければいけなかったかも知れませんが承認されている薬だから手を出したろうと思います。助かろうと思って手を出した薬で殺されたらたまったものじゃありません。

●129  ガンを宣告された患者さんが「イレッサ」に興味を持ち使用したくなるのは当たり前のことであり,患者には何の責任もないと思う。医者や学者も患者さんを苦しめようと思って開発したわけでないと思うが,やはり十分な検証が必要であるし,その過程で発見した危険性や副作用については正確に把握し,利用者にも正確な情報が提供されるべきであると思う。十分な情報がないまま「効果があります」と強調するあまり,患者さんの命をあまりにも軽く見すぎていると思った。ガン治療の研究はこれからますます重要になってくるであろうし,医学分野の大きな課題であると思うが,患者の命を軽く見たり,利益ばかりを追求していては同じような過ちを起こしてしまうであろうし,日本の医学は衰退していってしまうと思った。私たちが信頼して,安心して自分の命を預けられる医療にしていく必要があると思った。 
       
●130  ガンという病気は素人の私自身が聞いても,非常に死亡率が高いというようなイメージを持っています。しかし,ガン患者の人達は短い時間しか残されていないとしても,その1日1日を大事に生きていけば,たとえ本人が満足できなくても,その人生はかけがえのないものになると思います。このようなことを言いますが,近澤さんが最期におっしゃった「安楽死」,の問題は簡単に答えをだすことが出来ない問題であると実感しました。  

131  イレッサという薬の名前は聞いたことがありましたが,どのような薬でどういう問題が起きているのかはまったく知りませんでした。私の祖父はがんで他界しましたが,その頃まだ私は幼かったために,どのような病気でどのような治療がされているのかなど何も分からずにいました。がん研究病院に何度も見舞いに行ったことは覚えています。近澤さんも言っていた「がん患者は短期間でどうにかしたいと必死だ」という気持ちはよく分かります。私たちも厚労省や製薬会社や医師たちの方が医療について知っていて信頼できると考えるのは当然だと思います。少しでも良い治療・薬を求め,そのために情報を多く集めた上で間違えた情報により反対に命がちぢまってしまったら,どんなに悔しいことでしょう。最後におっしゃっていた塩酸モルヒネと安楽死について,これから自分でしっかりと考えようと思います。 

●132  「薬害イレッサ」という言葉は初めて聞いた。がんの治療薬に副作用はつきもの,ということであったが,それでもやはり,死に至るような副作用をもつ薬は使用しないほうがよいのではないかと思う。イレッサのような薬を使わなくてもいいように,入院期間の制限,がん治療の薬の少なさ,治療技術の遅れ等の問題が早く解決されるといい。 

●133  がんの問題は難しい。死を覚悟する「がん」でありますが,治る薬があると聞いたら飛びついてしまいます。でも,そういう患者の思いを無視して,自社の利益のために安全を確保せず薬を売ったのはとても許せない事です。 

●134  まず,世界で190種類ほどのガンに対する薬があるのに,日本では19種類しかつかえないのかと思った。そのせいで,治療方法の選択の幅が狭くなっているなら,そこを改善することも一つの手なのではと思った。それなのに,イレッサのような薬は何故認可されたのか不思議,というか怒りを感じた。最後に近澤さんが仰ったことの問題が,塩酸モルヒネが投与されることがまかり通ってしまえば,日本の医療が進歩しなくなってしまうのではと,考えその様な逃げ道が作られてしまえば,それでなくても被害者の方々は日本医療体制の進歩の遅さにいきどおっているのにそんなことが通ってしまえば本当に,どうしようもなくなってしまうではないかと考える。ガンにかかっている人だって(どんな病気にかかっている人であっても)たしかに病気は辛いのだろうけれども,絶対に将来があるのだから,その点からも安楽死など有り得ないと思う。 

●135  国が危険な薬をいい加減な審査で通した,という事は非常に問題だと思います。我々は国が認めていることは安全だろうと思って日々生きています。しかし,イレッサの例を見てもわかるように,国の判断は国民の命よりも大きな会社の利益を優先している,本当に許し難いことだと思います。

●136



 "画期的"であるとか"夢のような"なんて言葉はこれ以上にないうさんくさい言葉です。でもそれはあくまで事態が距離をとり,自分を静止させ,思考する余裕のある,常人にかぎってのことだと思います。治療法がない,自分には後先がないという患者の立場なら,お医者さんのお墨付きであることも手伝って,イレッサに手を出すことはごく当たり前のことだと思います。少なくとも状況に流されやすい自分であったら,間違いなく飲んでしまうと思います。亡くなってしまえば,患者は口をきかない,もともと抗がん剤は副作用があるという認識は患者だけでなく一般的にも知られていることだから,いざとなれば会社は理由としてよりかかることができる。実に悪質的だと思います。私はこの授業で初めて薬害イレッサのことを知りましたか゜,このことがもっと,皆の知るところになればと思います。 

●137  医者というものは,患者の病気を治す職業です。これは,命に最も近い職業の一つです。もし,そこに,儲けようという気持ちが介入したとしたらそれは本当に怖ろしいことだと思いました。医療機関は,1人1人の命を預かっているという責任をもっと感じて欲しいと思いました。病院に通う病気の患者1人1人が自分の家族だと思って接するなら,よく分かっていない薬を出したり,ガンの患者を放置するようなことはないと思う。 

●138  私たちの権利は何の為にあるのだろうか。この授業を受ける度にそう思う。私たちは自分の持っている権利をきちんと理解し,その中で自分が不公平を考えているものは主張していくべきだと思う。今日の授業も,突然不公平さにぶっかるものであった。私たちはいつ,その不公平に出会うのかわからない。逆に,その不公平がごろごろころがっている今の世の中もおかしいと思う。 

●139  今日の授業を聞いて,ますます日本政府,また医療に対する疑問が強まりました。目の前に確たる事実をつきつけられても,あいまいな言葉を残すだけ。責任については言及しない。規則(動物実験とか)を守らずに作られた事を認めようとしない。最低な人間達だ。人間の命をなんだと思っているのだろうか? 今回話題になった薬のほかにもインフルエンザの薬のせいで脳をやられたにも関わらずインフルエンザ脳症とか言ってみたり,母親の知り合いが大腸ポリープの手術で死んでしまったりと,問題は多い。医者が命を守るのではなく,医者から命を守ることになるとは世も末だと思う。私達はもっと,医療のことについて知らなければならないのである。 

●140  「イレッサ」という言葉を私は今日初めて耳にしましたが,この薬が約五年前というごく最近に開発され,販売されたことにまず驚きました。何もしなければ死んでしまうという状態ならば「夢の新薬」とか「分子標的薬」という言葉に飛びつくのは当たり前のことだと思います。患者さんの「生きたい」という思いを逆手にとることは決して許されることではないと思います。正確な情報の開示は私たち消費者が最も求めるものです。1人の人間の命の重さを考えさせられた授業でした。 

●141  日本のがん患者の渇望につけこむ製薬会社のやり方は感心しました(悪い意味で)。死んでしまうのだから,抗がん剤で死んでも同じではないか,という意見にも違和感がありました。抗がん剤で延ばそうとした命は,最期の願いのためのものだと心底思ってしまいました。

●142  今日の講義を聞いて,命の大切さを考えました。ご家族はとても悲しく,その辛さは私は少ししか感じれませんが...。薬がなぜあのように出回ったのか不思議です。日本はすぐに廃止すべきだったのだと重います。悔しいと思いました。 

●143  薬害イレッサ訴訟については,名前を聞いたことはあったが内容は全然知らなかった。人命を救い,長生きを願うのが製薬会社や厚労省の役割であり,使命であると思っていた。しかし,企業は所詮利益を求めるものであり,厚労省も頭のかたい役所なのだとよくわかった。夢の薬として,患者が藁をもつかむ思いで服用したのに,逆効果だったとは,患者や遺族の悲しみ悔しさは計り知れない。アストラゼネカ社も国も誤りを認めて欲しい。そして,そこから「教訓」を是非とも学んでもらいたい。 

●144  薬害について考えたことは今までなかった。むしろ薬害というものがどのようなものかを知らなかった。今回はイレッサというものに対する薬害問題だか,これだけでもとても深刻なものだと思う。がん患者にとっては,きっとすがるような思いで使用したのだろうが,それが延命効果が認識されなかったり,致死的な副作用をあたえるのでは話しにならない。このようなことが他にもあるとすると,しっかりと考えなければならない問題だと思う。 

●145



 そもそも,人間はあまり薬を使用すべきでないだろう。市販されているかぜ薬も,薬品会社の戦略だと聞いたことがある。「かぜ薬は,かぜの根本原因を改善するわけでなく,かぜの症状をおさえるものであるため飲むとかぜが治ったと感じるが,実際は治りきっていない。しかし,そのまま外出などしてしまうため,他人にうつしてしまい,かぜが流行る。それゆえに薬が売れる」ということである。この話しが本当かどうかはわからないが,あまり多用すべきものではないのは事実であろう。しかし,今回のケースのように,放置すれば死に至る状態にあり薬に頼らなければならないときは別である。死に直面した者が「生きたい」という思いを持って,薬を服用するのはごく自然なことだといえる。そのような思いを持っている人達に対して,副作用があり,延命効果を確認されていない薬を提供することは大変ひどいことであるだろう。さらには,薬についての誤解を与えるような宣伝もしている。人の命を預かるものに嘘があったとなれば,もう何を信じれは良いか分からなくなる者もいるだろう。以後,このような事件が発生しないことを願います。 

●146  またこの授業で自分の知らなかった一頁が開いた。こんな当たり前のことが出来ない事件が日本で起きていたなんて信じられなかった。これを聞いて薬をなんでもかんでも症状にあわせてだけ飲んでいた自分がとても恐ろしくなった。やっぱり自分の身を守るのは自分なので,もう少し疑いを持って薬を見ておきたい。しかし,こんなにおびえながら薬を使うなんてバカげているので,やはりそこは国がしっかり責任をもってこのような事件が二度と起きないようにしてもらわなければならない。

●147  藁をも掴む程の思いで治療法を探す末期のがん患者にとって,イレッサの広告はキリストのようだったのだろう。いままでの薬害は全てこのような流れが根底にある。資本主義は人命の上に立ち得るのか。答えが「YES」となる実例かも知れないと思った。最期のモルヒネの話が痛みを逃れるのと苦しんでも生きるのと難しい気がする。

●148  まず,イレッサというものが何か全くわからなかったけれども,その薬によって多くの人が亡くなったという事実を知って非常に残念に思う。この薬によって被害を受けた方にとっては「夢の新薬」は「殺人薬」になったにちがいないだろう。ガンというのは大きな病というのは知っている。しかし,そういう面を逆手にとったこういう薬が世に出てくるのは非常にいやな気持ちだ。 

●149  日本でがんの治療を受けることが難しいとは思ってなかった。医療でも世界の最先端である日本がそういう状況にあることを知ってちょっとショックでした。副作用があるということもあまり知りませんでした。 

●150  アストラゼネカ社の行ったことは営利主義の行き過ぎた結果であると思う。著名人を使った過剰な広告,誇大すぎる効果内容,副作用が少ないなどの誤解を与える宣伝といった商業的な活動の結果として,患者の方々が苦しんで死亡したという結果は非常に残念である。私は,このような安全性を欠いた薬を承認してしまった国に大きな責任があると思う。本来,薬の承認とはこのように,医学的に知識のない一般の人々を薬害から保護すべきものであるはずなのに,チェックを怠った。国も責任を認めるべきである。 

●151  イレッサというものを知らなくてショックでした。死亡例676というのは薬害のレベルを飛び越えてしまっているように思います。補償救済がないうえに,認知の低さ,取り上げられなどが酷いと思います。(薬害は公害の一種?でしたっけ)概念的に捉えて間違いなく公害として認定できるとおもうのですが,同でしょう。 

●152  ガンのことは身内にはかかった人はいないため,現実味がなかった。しかし,薬に関してはサリドマイドがそうだったように,誰にでも関係してくるようなものである。やはり多くの実験に基づいた正確なデータがなければ使用してはいけない,ということは誰でも分かるだろう。だが,それでも使用してしまう,それが続いているというのはこの国の体質自体がどこかゆがんでいるのだと思う。使う側も出す側もその性質を深く知る前に実例(プラス面)だけ見るのは危険であろう。 

●153  ガンの治療法は日本では進んでいると自分の中では考えていたが,今日の話しを聞いて,それは違うということが分かって驚いた。企業の経済的利益を優先するために,国が事実を隠すなどということはあってはならないことであると思った。 

●154  薬は病気にかかっている人を助けるために使われるべきです。その病気を治す効果があっても,その人を助けるものでなければその薬は使われるべきでないと思います。イレッサという薬が使われるまでの経緯を見てみると,ほんとに患者のことを考えてこの薬が使用されるようになったとは思えず,どうも企業の金儲けのためや実験的に用いられたような気がします。また,ガンと告知された患者さんが藁にもすがる思いで信用性の低い薬でもいいから使って治したいと思う気持ちはよくわかるし,自分もそのような状況に陥ったらそういう気持ちになると思うので,そこは医者や厚生労働省などの専門家がしっかり管理していって欲しいと思いました。 

●155  今回薬害イレッサ事件について,話しを聞いたことはとてもいい経験になった気がする。患者にとって,治りたいという思いは誰でもあり,特に重い病気の人の場合はそうであり,そのような人の前に「夢の新薬」と呼ばれる薬が出れば,それに飛びつくのは当たり前である。特に薬は国が承認しているのだから,患者側からしてみれば,安全性は十分にあると思うのである。したがって,イレッサの副作用で亡くなったのを,飲んだ本人の責任にするのは間違いである。責任は間違いなく国,そして会社にあるのであり,訴訟などは当然の行為だと思う。また,今回の事件は,日本の医療制度体制の問題も大きく関係していると思った。

●156  今回は薬害イレッサ訴訟についての話しが聞けたが,今回も自分にはあまりなじみのない問題だったので,驚くと同時にあまりにもひどい現状を知ることができた。また,日本の医療制度はある程度安心だと思っていたが,まだまだ遅れているということで,自分の認識の甘さにも気付くことができた。やはり,大事なことは医者は不完全な薬を患者に投与すべきではない。一刻も早く,がん患者に対する医療制度そのものを改善して欲しいと思う。 

●157  自分の中でガンという病気は治らない病気というイメージが強い。ただそれでも,治っているという事実は知っている。ガンはとても大きな病気にあたるといえると思う。ただそれを感染しないというだけで,90日で退院させるというのは知らなかった。身近にガン患者はいない。ただ,本やテレビ,人の話しを聞いていて簡単に治るものではないという知識がある。最近,昔に比べるとガンの治る確率が高くなっている。そのため,ガンは治るという少し甘くみている部分があるのではないか。ただそれより,インターネットなど,あるいは市販の薬はあまり信用できないという認識は強くなった。やはり,どんな宣伝や,コメントが載っていようと,それに対して責任を負ってくれる人が目の前にいないから,医療の問題は専門知識が要求されるだけに難しい問題だと思った。 

●158  イレッサ,という薬の存在は今日までしりませんでした。何を治す薬なのか,薬害イレッサ訴訟というのだけれどどんな病気に冒されてしまったのか,,,何もしりませんでした。薬はどんなものであれ多少のリスクは伴うものです。それを正しく知って使いたいと誰しも思う筈です。その情報を偽った企業は厳しく責任を問われるべきだと思いました。イレッサに限らず,患者が薬の情報を正しく知ることのできる環境はまだまだ作られていないと思います。インフォームド・コンセントが重要視され始めてきた今,「正しい」薬の情報が伝わっていなかったという今日の話しはショックでした。

●159  原告の方の思いに圧倒された。「なんとかしたい」と強く思い続けてきたからこそ,インターネットで情報を得て,実際に購入し,使用に至るというプロセスがやりきれなく,事態が緊急だったからこそ,さらに被害が広がったことは,なんともやりきれない。そもそも,アストラゼネカ社にしても悪意があって開発したわけではないはずで,あるプロセスにおいて妥協や注意の怠慢など,何かの歯車が狂い始めてから止める仕組みをつくれなかったのではないか,そう感じた。 

●160  私は今日初めてイレッサという抗がん剤を知った。近澤さんの話しの中で,日本で現在使用されている抗がん剤が非常に少ないということを知った。もし自分がガンにかかって必死に治療法を探しているときに,イレッサを知ったら,私もイレッサを試してみたいと思うだろう。今私はガンにかかっていないが,実際にガンにかかっている患者さんは是非この抗がん剤を使いたいと切実に願うだろうし,そう思って使用した患者さんが実際いるわけだ。そんな患者さんの切実な思いを利用するかのような「副作用の少ない夢の新薬」という宣伝などは,人の命より利益やお金などを重視しているような気がして悲しくなった。ガンが治るかもしれないという希望をもってイレッサを使用したのに結局亡くなってしまった患者さんや患者さんの家族の気持ちを考えるといたたまれなくなった。 

●161  「薬害イレッサ訴訟」について初めて知りました。私の祖母はガンで亡くなりました。抗がん剤の治療を行ったことや,どのような薬を使っていたかどうかは知りません。もし,私の父や母がガンになってしまったら,私は治って欲しいという思いから,医療薬や医療法などの情報を必死で探すでしょう。インターネットも使うでしょう。本当に治って欲しいと思うと,良いことが書いてある薬は神様からの贈り物のように感じ信じるだろうと思います。「延命効果」が確認されてなく,さらに副作用により多くの人々が亡くなっている薬,イレッサが今でも日本で使われ続けているということが信じられません。医学の進歩が進み,今後新しい治療薬や治療法がでてくるでしょう。医学に関わる人,製薬会社の人は人の命を預かっているという責任を持ち,慎重にそして確実に行って欲しいと願ってます。 

●162  失われた命は取り戻すことができない。しかし,国は大量の死者がでているにも関わらず,未だに使用を認可している。イレッサを使用したいという患者も多くいるようだ。もっと彼らに情報を開示するべきである。データがないと名言している薬を,死ぬかもしれないと言われている薬を,真剣に生きようとしている人に投与すべきでない。正しい情報が全てにおいて広く開示されるようになるといいと思った。原告の勝訴を願うばかりです。 

●163  抗がん剤を飲むことを自己責任だとするのは明らかにおかしいと思います。他に治療の方法も見つからず,わずかな可能性をかけて...というわけでもなく,「認可」されたものを飲んだのにも関わらずに,確かにガンという病気やHPというものを便利さ,影響の大きさを考えると難しい問題ですが,やはり「危険な薬」を「認可」して販売し,多くの被害者が実際に出ている以上,それを購入者,利用者の側の責任に転嫁することはおかしいと思います。

●164  イレッサというものを今回初めて知りました。抗がん剤についてどう考えればいいのかよく分からない部分がありますが,薬についての正確な情報が出されなければならないと思います。それが,イレッサではなされていないのであれば,とても問題だと思います。正確な情報が出されないでも承認されてしまうというのは,とても恐ろしいことだと思いました。

●165  「がん」治療においては,日本の信頼性は限りなく低いということを露呈した事件だと思う。医者の知識,医療機関の体制,国の機関の体制,全てが信じられない。もし私が今,ガンにかかったとしたら,絶対に日本で治療はしないでしょう。イレッサを製造したアストラゼネカは副作用の可能性を記していただけ救いようがあるが,日本の厚労省が厳正な検証をせずに承認してしまったことが一番の問題である。つまり,「国」という立場上,僅かでも危険の可能性があったら,それを示さなければならない。事実を知らせなければならないということである。さらに患者側も,これからはこの教訓を生かして「絶対に効く薬」などの情報を受け入れず,インターネットなどを使い,外国の動向を見つつ,見極めていく必要があるのだと思った。あくまで,まだ信じられる状態ではない。

●166  こういう事実があると言う事を,今日授業を受けて初めて知った。抗がん剤と言うものはリスクがあるから,使用しないという人もいるぐらいなのに。それを理解しそれでも少しの可能性を信じて抗がん剤治療を受ける患者さんを大きく裏切っているこの薬にはいらだちが立ちこめてきます。一般の人々は薬剤に対する知識は何一つないのだから,医者が出す薬を信じ,服用しているにも関わらず,何も効果がない薬を飲まされ,そしてその副作用に苦しめられる意味がわからない。たとえ,抗がん剤を受けると自身で決め,抗がん剤もある程度自分で意見出来たとしても,薬が効く,効かないなどはどうやって判断すればよいのか。第一,なぜ効果がない薬が承認申請されているのか。もっと厚生労働省が私たちに安全だと心から信じられる環境を整えて欲しい。 

●167  厚生労働省に,もっと医療制度を整えて欲しい。「がん」という病気は現在にほんじん死因のベスト3にはいるくらいの恐怖があるにもかかわらず,がんに対する知識のない医師に治療を受ける可能性があるという話しを聞き,こういうところから改革を始めたら,少しでも延命できるのではないだろうか。また,歯科医でさえ抗がん剤を処方できるというこの医療勧業はあきらかにおかしい。"イレッサ"に関する情報も,もっと調査し検討していたら,643人(2006.3月現在)もの人々が亡くなるという事態を少しでも防げたかもしれない。生きる希望をもってイレッサ治療を受ける人をだまし,そして苦しめ殺す。厚生労働省は直接関与していないにせよ,殺人を犯していることにはならないのだろうか。

●168  癌治療にとって,イレッサは自分の病気を完治できる,この苦しみから逃れられる唯一の光に見えたのではないだろうか。それなのに飲んでみたら殺して欲しいくらいに苦しい薬だった・・・。近澤さんのお話しで,現在の日本の医療の状況がわかった。医師免許を有していれば癌治療ができるなんて,自分が癌患者なら不安でたまらないはずだ。『どんなものでもいいから早く治りたい』わらをもすがる思いでいる時に,インターネットにイレッサ等,回復するという薬がのっていれば,きっと手を伸ばすはずだ。そんな患者さんの思いをちゃんとくみとって,もっと慎重に薬の情報をのせるべきである。"1日1日を大切に生きている"という近澤さんの言葉をきき,真剣に癌と戦う患者さんに対し,日本医療はもっと真剣な対応をすべきだと強く思った。 

●169

 「イレッサ」という抗がん剤の名前は知っていたが,このようなたくさんの問題を含んだものだとは知らなかった。厚生労働省の担当者の言葉が頭に残る。「このイレッサの問題から得られる教訓は特にない」と。もちろんそれを「Yes」と答えることは責任を認めることになるのだろうが,これでは死亡した643名もの患者があんまりではないかと思う。インターネットを含め,情報の不確かさ,恐ろしさをあらためて感じた。「がん難民」というフレーズが心に残った。

●170  イレッサの薬害については今日初めて聞きました。承認手続きが結果的に慎重に行われていなかったと理解できました。イレッサの副作用で亡くなった患者が600人以上もいるということには非常に胸が痛みます。イレッサには現在でも延命効果が認められていないのに依然として副作用で亡くなっている人がいるという事実はとても疑問に思いました。今後,その被害者たちに補償が一刻も早く行われれば良いと感じました。 

●171  薬害というと薬害エイズが最も有名ですが,命を助けるための薬によって健康が損なわれるというのはなんか本末転倒というかくやしいです。延命したいがためにわらにもすがる思いで新しい薬を使うのだと思います。そんなわけで厚生労働省は確かな情報の元に承認しなければならないと思う。そしてもっと選択肢を作るために様々な薬の承認も必要だと思う。確かな効果と様々な種類,相反するような二つの事柄だが何とかして欲しい。そう切に願う。 

●172  薬害イレッサ訴訟について,弁護士の津田さんと近澤さんの話しを聞いて,抗がん剤の副作用で亡くなった方々が「夢の新薬」だと信じて服用し,最期の希望を薬に託していたにも関わらず製薬会社が自身の保身のために情報を隠蔽したり,また日本の機関が死亡例が報告されてもなお「効果がある」という認識を持ち続けているということに怒りを覚えました。厚生労働省も承認に1年はかかるはずの新薬をわずか5ヵ月で済ませてしまったことにも驚きました。有効性が認められるかどうかはっきりしていない(情報不足のため)にも関わらず,そこまで急いだ理由もよくわかりません。またたとえ「東洋人には効果が認められた(日本人は除く)」とされていたとしても他国では有効性がないと分かるとすぐに何らかの措置を取ったにも関わらず,未だに使用し続ける日本国内の医療機関も信じられませんでした。

●173  薬害イレッサ訴訟については今日初めて知ったが,非常に衝撃を受けた。製薬企業・国は人の命を何だと思っているのだろうか。動物実験で危険性が確認されたにも関わらず,なぜ販売を中止しようとしなかったのだろうか。患者の命よりも自分達の利益を優先させた加害者の態度に私は怒りを覚えた。人の命は失われたら二度と取り返すことはできない。そんな命の尊さを加害者側はどうしてこんなに軽視することができたのだろうか。加害者側には「殺人」をしたのと同じだという意識をもってほしい。患者は医者や薬にしか頼るすべがないのである。患者を裏切るようなことはこれ以上起きてほしくない。 

●174  イレッサ東日本訴訟の存在を今日初めて知った。ガンはだんだんと治るようになりつつあるけれど,その一方で,このような悲しい出来事があることがとても残念だった。医療に携わる人達は,もっと命の重みを感じてほしいと思う。そして,厚生労働省の人達は,もっと親身になって,問題を解決していって,もう二度と同じことが起こらないようにして欲しい。また,情報をきちんと見極めて鵜呑みにしないようにしなければならないし,情報を提供する側は,その影響力を理解して,考えて行動しなければならないと思う。 

●175

 これだけの副作用が強いという実証がなされているのに,日本の対応の遅れ,不適切な対応にあきれる。どんな薬も慎重な調査の上で,承認されなければならないはずである。患者は薬の危険性など証明されなければわからない。それなのに大々的に安全であるという宣伝をし,正しい情報を伝えないまま,安全である,希望の薬だと思い込ませた宣伝媒体の恐ろしさを感じた。近澤さんの話しを伺って,この薬害イレッサ問題から今の医療問題も見えてきたと思う。患者を追い詰めている様々な医療問題があり。その中で,見つけた希望の薬がイレッサだった。ギリギリの状態で,情報が溢れる中,イレッサが信頼できるかどうかを冷静に判断する余裕もなかったと思う。この問題から学ぶべきこと,改善すべきことがたくさん浮き彫りになったと思う。 

●176  まず,アストラゼネカ社がイレッサにおいての重篤な副作用の事実の隠蔽,過大な宣伝をしてたことがひどいことであると思いました。会社の利益を優先し,製薬会社の行う最も大切な義務である薬の安全性の調査を怠ったことからくるものであります。次にこの問題において一番の問題なのは,国の対応だと思います。このような安全性が疑わしい薬を身きわめて患者の安全を守ることが国の義務であると思います。しかしながら,国はこの薬を承認し,死亡例があってもすぐに有効な規制措置をとりませんでした。国は患者の安全を守るどころか,被害を広げる原因をつくったといえます。このことはとても憤りを感じました。国は国民1人1人の命を守るという義務をもっと重く受け止め,迅速に対策をとらねばならないと感じます。 

●177  私は恥ずかしながら,今回の授業をうけるまでイレッサのことは全く知らなかった。薬には副作用がつきものであるが,それが死ぬことであるとは患者さんの誰も考えなかっただろう。きちんと安全性が確認されていないにも関わらず,約半年という短期間で承認してしまった国には大きな責任があると思う。いくら新薬であっても国が承認し「副作用が少ない」とうたわれる薬であれば誰もが使いたいと思うだろう。そんな患者さん達の思いを踏みにじった行為は到底許されるものではない。また,多くの症例が発表され諸外国がイレッサを禁止などをしても,何の対策もとらず承認し続けるということは,多くの患者を見殺しにしているのと同じだと思う。これ以上被害者を増やさないためにも,早急に何らかの対策を取らなければならない。近澤さんの「娘の死は無駄死ではなかった」という言葉がすごく胸にささった。彼女がわらをも掴む思いで使用した薬により薬害にあったという事実を私達は忘れてはいけない。そして,その原因を作った国と製薬会社を決して許してはいけないと思った。 

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