学生感想文
069〜125
東京学芸大学で,抗がん剤イレッサの薬害被害について学生の皆さんに聞いてもらいました。受講した230人ほどの学生のみなさんに感想文を寄せて頂きました。ストレートな思いを多くの皆さんにも読んで欲しいと思いましたので許可を頂きUPいたしました。 


069  薬や医者は私たち素人には,本当に判断つかないものだから,私はこのように薬害や医療ミスの話を聞くたびに怖ろしく感じます。何よりも,病気は誰も代わってあげることができません。結局最後には患者さん1人の闘いになってしまうからこそ,これで救ってあげられる,と期待した家族の憤りは激しいものなのではないかと思いました。余命1年の患者なのだから早く死んでしまってもいい,ということは絶対にないと思います。私は自分の身近な人がもし余命1ヵ月と言われても,1日でも長く生きてほしいと思います。だからこそ,未だ適格な治療がないとされるガンの薬は広まってしまったのだと感じました。
                
070

 医者に処方されれば,どんな薬でも効くものだと何の疑いもなく飲んでしまう。更に,いい評判がたっていればすすんで処方してもらうだろう。イレッサにしても,ビデオで見せてもらった広告を見る限り,そのままうのみにしてしまう。むしろ,嬉しいとさえ感じるだろう。がんという病気は完治が難しいというイメージがある。それだけ十分な対応を求められるはずなのに,厚労省の対応はあまりにずさんではないか。承認した後に延命治療にならない,という情報が入ったなら,すぐに取り下げるべきだ。日本は導入に時間がかかる上に,禁止にも時間がかかりすぎる。その間,今でさえイレッサを使用している病院もあるだろう。患者は不安を抱え,何かにすがりたくて医者や薬を頼る。その薬が毒だったなら,どうすればいいのだろうか。何を信じればいいのだろうか。 

071  アストラゼネカが悪いのかサインした日本が悪いのか実験が足りなかった事が悪いのか,事件の責任の所在が多過ぎて,裁判を起こす対象がイマイチパッとしない。どこに向かって訴えれば良いのか。そしてもし,その裁判で勝訴したら国はどう責任を取らされるのか。裁判の結果がどうあろうと,このような大きな裁判があったのだから,これからは気をつけると思う。裁判は形だけ,原告の自己満足に終わらないか,ましくは,裁判でないと変らないガン医療なら日本は悲しい国だ。

072  私は以前精神安定剤を飲んでいたことがあります。幸いなことに,その薬で副作用はほとんどでなかったのですが,その時に薬の怖さを感じました。自分が苦しい状態にある時,人はその苦しさから逃れたいと思い,薬に頼り依存します。病気である人にとって,薬は命にかかわる重要なものなのです。今日のお話を聞いて,医師,薬局における薬についての説明の重要性を感じました。
           
073  イレッサが何故市販されたのか,ただの金もうけのためだけだろうか。だとしたら,それはどれだけ非道徳的な行為だろう。確かに八方ふさがりな患者には「何か薬を,何か薬を」 と求める気持ちが強すぎて,イレッサは水か砂に吸われるように浸透していき,社会へと広がっていき,多くの人の命を奪って現在に至っている。これでは被害が拡大してしまうだけだと思う。だが,医学は人命を救うためにあるはずなのにイレッサは,がん患者の人口を減らしたいがためにできたのであり,しかし,その人口の減らし方は治るわけではなく死ぬという結果しか残らないのはどういうことだろう。人の命はどれだけ軽くなってしまったのだろう。最近日本の社会からたくさんのアラが発覚しているが,医療機関からは絶対に出てきてはいけないことだと思う。命を扱う仕事なのだから命の価値を理解して仕事をするのが当然であるはずなのに,信じれるものがほとんどなくなった社会だと思った。

074  今回の講義で,原告の方の近澤さんの話をきき,やはり弁護士の津田先生の説明よりも被害者の生の声というのはとてもインパクトがありました。また,本当に許せないのはイレッサの承認にあたり,副作用での実験で症状がでるのがわかっているのに,それでいても使用の禁止やイレッサの廃止をしないというのはおかしな話しであり,がん患者という立場を最もよくわかり身近な存在の医師が,イレッサの宣伝にもつながる,とても良い薬ですと発言すれば誰もが信じてしまうのは容易にわかるはずなのにそういった発言も難しいことだと思いました。

075  私は,薬害イレッサ訴訟というものを,今日の授業を受けて初めて知りました。それによって,こんなに多くの被害者が出ているということを知って,とても驚きました。近澤さんは日本の抗がん剤は種類がとても少ないとおっしゃっていましたが,それなのに何故1年かかる承認期間を半年で承認してしまったのでしょうか。もし,あと半年間,きちんと副作用について調べていれば,ここまで被害が広がることはなかったのではないかと思います。また,これほどの被害を出したにもかかわらず,まだイレッサが用いられているというのにも驚きました。 

076  ガンはよく聞く病気であるので,当然腰が重く対応の遅い日本の政府でも,もっとまともな対応をとっているのだと思っていた。なので,日本のずさんな対応を知った時,ひどいショックだった。その上他国で禁止されていて,しかもデメリットばかりだというデータもきちんとある薬を平気な顔で使っているなんて....  私の親族はガンで亡くなった方が多いです。そして母も現在がんであるかも知れない可能性を抱えています。それなのに,治療の現状はこんなものでそれを非常に怖ろしいと思いました。 

077  薬に副作用が出るというのはある程度は仕方がないことですが,その内容によっては本来の病気を治す前に死に至ってしまうというケースもあります。不十分な説明で薬を売り出せば,病気を治したい,治りたいという人々の思いが踏みにじられてしまう悲劇が多く起こります。現在の社会は情報にあふれ,正しい情報を見つけ出すのが非常に困難です。だからこそ,命にかかわる情報は信頼できるものにしてほしいと私は考えます。

078

 イレッサのような有害な薬が「夢の新薬」などと唱され日本の医療現場で使われていたことに,処方してもらう立場の私としては恐怖を憶えてしまう。患者は生きたいから抗がん剤を使用する。副作用があるかもしれないとわかっていても使わざるを得ないのかもしれないが,はたしてそれは,真の抗がん剤だろうか,副作用があっては意味がないのではないかと思う。患者ががんを完全に取り除いてこそ,抗がん剤の目的が果たされるのではないか。イレッサの説明書には,間質性肺炎についての記載があったとはいうが,小さな記載だけで,その危険性を伝える意味が感じられない。会社側はもちろん,その申請を行う医療専門家や政府にも無責任すぎる対応に問題がある。患者は死んでしまっては何もできない。患者の命が最優先される医療がなされて欲しい。 

079  もし,自分がガンに侵されていたら,抗がん剤も効かずに途方にくれていたら,イレッサを服用していたかもしれない。正直に言って,医学部,薬学部でも卒業しない限り一般の人は医学に疎いのが現実である。そんな中,副作用がないと,うたわれている薬を知った時,何の疑いもなしに求めてしまうであろう。医学は,人を助ける学問であるが,何かを踏み外してしまえば,人の命を奪うものでもある。申請するまでに,何度も確認・実験を経ているはずであるのに,イレッサのような薬が世の中に出回ってしまう。患者は病に苦しんでいる。その病を治すために投与された薬によってさらに苦しむ,または,死に至る。この上ない苦しみである。イレッサによって苦しめられ,死亡した患者が多数いる。にも関わらず,医療機関などは何の償いもしない。データがない,そのような事実はない,などと言って責任逃れをした結果が,苦しめられる人の数を多くさせた。もはやこれは殺人罪にもあたると考える。殺人は最高の人権侵害。このことを,この関係者に訴えたい。

080
 がんになった方は,わらにもすがる思いで,イレッサを服用していただろう。厚労省の方が「教訓はない」と言っていたが,これは反省点はあったと自覚していたが,過ちを認めることで不利な立場になる事をおそれたのだろうけど,行政がこのようなひねくれた態度をとっているかぎり,犠牲者はふえるだろうと考えた。 

081
 余命少ないがん患者の人々の生きたいという気持ちを逆手にとり,利益を求め残された大事な日々を踏みにじる様な行為をしたことは本当に許せない。 また,日本のがん治療体制のずさんさに驚いた。専門知識を持たず医師免許だけで処方できるなんて信じられない。また,日本は外国で有用性が確認されているような抗がん剤を承認するのは遅いくせにイレッサの様なはっきりと証明されない薬を承認するなんておかしいとしか思えない。日本は今までにも,薬害問題が起こっているのに,きちんと反省がなされていると思えない。今回のイレッサ訴訟が教訓とされ,医療が大きく変ることを願ってやまない。 

082  イレッサという薬について初めて知った。薬についても訴訟が起きている。ウソみたいな情報が流されている。すごくおそろしいことだと思った。医者や学者の言うことも信じられないことがあるんですね。医者や学者のような人に強く影響を与えられる力がある人はあまり適当なこと言っちゃいけないと思います。 

083  「がん」の薬として,以前アガリクスと呼ばれる薬?が問題になった事を覚えている。がんの患者はワラにもすがる思いでこのような薬を頼っている。そのような弱った患者の気持ちを踏みにじるような行為はしないで欲しいと感じた。

084  「がん」の驚異。といっても今の私はピンとこない。実際には一番身近で怖ろしい病気であるが,そのまわりで起こる数々の問題にも無関心であった。 今・現在進行している問題,身近な問題として受け止めたい。 

085  ガンは今だに治療法が確立されていない病気である。ガン患者の人々は日々死の恐怖と闘い不安な生活をしていると思う。そんな中で,どんな確立が低いものにもすがりたくなってしまうのは当然なことである。そんな中で起きた薬害イレッサ事件,それは,患者の希望を打ち砕くばかりか,副作用までも引き起こし絶望のみを与えることになってしまった。それは,あまりにもひどく,理不尽なことだと思う。さらに,原告の人の話しを聞いて,抗がん剤で死んだことが悔しいのではない,誰もが信じていたことを裏切られたことがくやしい,という言葉が心に残った。もしかしたら,ガンにかかった時すでにある程度の覚悟はできていたのかもしれない。それを踏みにじり,責任を逃れようとすることは絶対に許されないことだと思う。 

086  自分がもしガンになっら,少しでも今の状態を良くしたい。少しでも長く生き延びたい。出来ることなら治したい。と必ず思う。それは絶対他の人も同じだと思う。そんな時に「副作用が少ない,画期的な薬だ」とうたわれる薬を目の当たりにしたら,使うのは当たり前だ。しかし,やっとの思いで希望が見えてきた患者たちにやってくるのが絶望,死だと思うと,心が痛まれる。苦しんでいる患者さんの命を少しでも長く,良くしたいと思うより先に,薬を売りたいと思うアストラゼネカ社に,私は疑問を感じた。誇大広告にもほどがあると思った。人の命を左右しているということが考えられないのだろうか。また,他国で回収や申請の取り下げが行われたことに対し,日本人だから効くかも知れないなどといった,しっかりとした証拠もないことを通じてイレッサを使い続けさせている国にも憤りを感じる。なぜそこまでイレッサを使い続けさせているのか,それが一番の疑問である。

087


 私の身近な所には抗がん剤の服用を必要とする人が今まで幸いにもいなかったために,イレッサという薬の存在を今回の授業ではじめて知りました。薬には副作用はつきものであり,それが抗がん剤ともなれば様々な危険性が考えられるため,服用をきめた患者や家族自身の責任もまったくないとは言えないが,そのような危険があると考えられる薬の使用が認められ,流通し,医師によってすすめられることが可能になり,また,多くの志望者が出ているのにもかかわらず何の何の対策もとらないという無責任さはあんまりだと感じる。なぜ,その使用を取りやめにすることを拒むのか,私には理解できない。人の命に対するリスクの大きい薬品とは,薬品とする意味があるのだろうか。もし,この薬が認められつづけ,イレッサに期待を持ち吹くようを選ぶ患者がまた死亡することがあれば,それを選択してしまった患者や親族はきっと後悔するに違いない。私にも,いつか抗がん剤と接点を持つ機会が来るかもしれない。そのときには,このような危険な薬はあってほしくないし,この薬品利用を推進する人々に,自分や家族に写して考えてもらいたい。

088
 ビデオを観て,お話しを聞いて,この薬害問題は本当にひどいと思いました。がん患者は,ただでさえ「ガン」と言う病気にショックを受け,それでも残りの命を精一杯生きています。そんな時に副作用のない「希望の薬」「夢の薬」があると知れば,誰しもその薬に頼りたいと思い,服用するのが自然でしょう。医療や製薬などに関わっていない一般の人々は,医師の先生と「お薬」を信じるしかないのです。しかし,その信じた薬の裏には,隠蔽されていることがたくさんあり,どうにもやりきれない思いです。もう二度とこのような事件が起こらないように,しっかりとイレッサのこの件について解決されて欲しいと思います。

089  私の身近な人に,がんの方がいます。その人は国立がんセンターに通院していますが,お話しを聞くと,近澤さんがおっしゃっていたように,これ以上治療方法がないと判断されると退院勧告,つまり病院に見放されてしまうそうです。その方も,多くのがん患者さんと同じように,何か良い治療方法はないか,よく効く薬はないかを探しています。抗がん剤のリスクの高さは百も承知で,それでも服用せずには入られない,そんな必死な姿を私は間近で見てきました。だから私は,アストラゼネカ社及び厚労省の対応を許せません。「教訓はない」と言った厚労省の方が正直憎いです。

090  イレッサが,こんなに多くの被害を生み出していてこのことに対する,厚生労働省の対応がとてもひどいことをはじめて知りました。日本の医療は欧米に比べて進んでいないことは前から聞いていましたが副作用がひどいとわかっている新約イレッサに頼るしかない人が多くいるほど,日本のがん医療は進んでいないと知りとても怖くなりました。日本国内での死亡原因で,ガンは上位なのに・・・。 

091  イレッサはおそろしい殺人薬ではいかと感じました。どうしてもっと早く副作用の危険性に気がついて服用を中止することができなかったのかと怒りを覚えずにはいられません。どうせガン患者なのだから死んでしまうのは仕方がないという信じられない発言をした人がいるということも許せないです。残りの命が短い人だからこそ,その残された時間を大切にしなければならないし,こんなことはもう二度と起こして欲しくないです。安楽死は許されるのかどうか,今の私の意見としては人の命を奪うことになる安楽死はあってはならないと感じます。しかし実際に病気にかかった時,薬を使ってどんなに苦しんででも長く生きたいと思えるかどうかはわからないです。とても難しい問題を近澤さんに投げかけられたと思いました。他人事ではないことだと思うので,私も考えていこうと思います。 

092 "イレッサ"がガン患者の問題となっていることは知らなかった。延命効果がある薬であるのに,"致死的"な副作用があるなんて,何だかとても疑問が多い。なぜこのような薬を作り,きちんとした効果があるかもわからないのに抗がん剤として売り出したのか,これは許される行為ではないと思う。この薬によって,実際に身内を亡くされた方たちの思いを感じることが出来た。"今日お話を聞いてもらうことで娘の死は無駄でなかったと思える" と言っていたことがとても印象的だった。この思いをきちんと受け止め,事件に目を向けなければならないと感じた。

093  薬害イレッサの名前は聞いたことがあるが,どのような問題なのかは全く知らなかった。私が中学生の頃の同級生にも白血病で苦しんでいる同級生がいた。彼は「高校生になる」という目標のために辛い治療に必死に耐えていた。近澤さんのお話にあったように難病で苦しむ患者さんは特効薬をのどから手が出るほど求めている。その気持ちにつけ込む形でイレッサが広まったのは悲劇であるとしか言いようがない。結局私の同級生は亡くなってしまったが副作用で髪は抜け顔はむくんでしまった姿を思うと,薬害問題が二度と起こらないように願うばかりである。 

094  小さい頃からよく風を引いていた私は,しょつちゅう薬のお世話になってます。市販だったり処方してもらったものだったりと様々ですが,薬というものは良いことばかりじゃないと自覚しつつ飲んでいます。とは言え,そこにあるのは,クセになってしまうやら,まさにクセになるといったもので,死に至るようなものはあまり考えていませんでした。よくよく考えてみると怖ろしい話しです。私が今まで飲んできたものは本当に安全なものだったのか,それはやっぱり専門の判断に任せるほかありません。インターネットは怖いです。嘘でもまるでほんとうのことのように書いています。私たちは一体何を信じたらいいんでしょうね。と今日の話を聞いて思いました。 

095  今日の講義を聞いて改めて,情報の怖さを知った。現代社会は様々な情報であふれている。テレビ・新聞・ラジオ・インターネットとその情報源も様々だ。そして私たち一般の民衆は,それらの情報を元に行動している。しかし,イレッサの被害同様にその情報が間違ったものであり,その間違った情報によっていろいろな薬害が起きているのが現代である。大抵は金銭面でのものだが,イレッサ被害のように直接的に関わる問題はかなり重大である。私たちは,身の周りにたくさんある情報を全て信じるのではなく,批判的な視点でまず疑うことが必要であると思う。ただし,命に関わる問題では,わらにもすがりたい思いで信じたいという気持ちになりがちである。その面では厚生労働省などが正しい情報を伝えるべきだと感じた。

096  あまりにも衝撃的なお話しで,本当にうなずく事しかできなかった。抗がん剤というものは副作用がどうしてもついてきてしまう薬であることは知っている。患者の方もそれを覚悟して,それでも少しでも多く人生を過ごしたいと願って使っていると思う。そんな時に,「副作用がほとんどない,全快した人もいる」という情報が流れてしまったら誰でも飛びついて使おうとするだろう。これは利益を目的としたガン患者に対するサギである。日本はガン治療に対して遅れをとっているそうだが,世界に対して遅れを取り戻そうとして「世界で一番早く承認」などと,根拠もない事をしたのだと思う。ほんとうに情けないし恥ずかしいと思う。「死を覚悟してまで使う薬があっていいのか」という言葉を聞いて,自分の中の副作用に対する意識がズレていた事に気付いた。「副作用だから死ぬこともある」というのは本来の「薬」の意味をもはや失っているだろう。何故,厚生労働省はそんなに酷いことをし続けるのだろうか。「責任は私たちにはない」といって逃げ続けるのではなく,あやまった判断をしたことを踏まえて新たな対策を練ればいいだけの事ではないのか。 

097  ガンだから死ぬのはしょうがない。それはあまりにおかしな話である。どんな人にも生きる権利はあります。それこそが"人権"の根源にあるものではないでしょうか。そして,国民の人権を守るべき国がそれを無視するようなことをしてしまうのは情けないです。日本の医療状況から考えても,患者さんやご家族の心情を考えても,イレッサが広まってしまうのはしょうがないと思います。少しでも長く生きたいと思うのは当然です。ただ,国による適正な判断をして欲しかったです。しかし,逆にガン患者の方の心理を利用する形で国民をだますなんて・・・。私は今日,初めて「薬害イレッサ」について聞きました。知らないこともまだたくさんあるし,自分の考えもまだ固まらない状態なので,もっと自分自身で調べて,考えていきたいです。

098  ガン患者の方々やその家族の方々にとっての"夢の新薬"であるはずであったイレッサが,希望どころか死をもたらしてしまった。肺への副作用の恐れがあることがマウス実験でわかっていたことにもかかわらず,その全例調査の結果を見ることなく承認してしまったことは大問題だと思った。今後,ガンやその他の難病の治療薬は次々と開発されていくだろうが,このような過ちが繰り返されるようでは,薬も薬として安心することは出来ないと思った。

099


 治療に効果がでなくて,しかも90日枠があるなかで「すごい効果があります」というような宣伝をされたら,それを服用するのはごく自然なことだと思う。だから,そういう精神状態にある人たちにつけこむようにしていたことがすごく許せないと思った。しかも,うそを言っても罪にならないようなインターネットを使って宣伝するなんて・・・。また「抗がん剤の副作用で死者が出るのは仕方がない」という言い方があまりにもひどいと思った。命がかかっていることなのに仕方ないですまされるのか? 治療する側にとっては多くの患者の1人。けれど,患者本人からすれば,これ以上にない大事な問題なのに・・・。一生懸命生きようとしているのに,生きるためには治療薬が不可欠なのに・・・。命がかかっていることに対して「仕方がない」と思ったり,人が亡くなっても悲しみを感じないような人に,医療にかかわって欲しくないし,厚生労働省に勤めて欲しくないと思った。 

100  消費者の足元を見るのは戦略の基礎中の基礎ではあるが,その手法をとってはならない領域もあり,人命に深く直接的に関わる医療の分野は,その領域のひとつだと思う。また,メーカーには様々な責任があると思うが,中でも個人的には,誇大広告はかなり重大だと思う。利益を上げようとするメーカーの方針は十分理解できるものであるが,"できない"ものをできると言うのはやってはならないと思う。まして,最期が近づいている患者さんにとって,その広告がどんなに見えたかということは,想像に余りあると思う。冒頭でも述べたように,そういった方々の足元を見るようなことはしてはならない。だが,厚労省の承認基準が変ったことは本当に大きな進歩だと思う。確かに「腫瘍縮小効果」もひいては延命に繋がることではあると思うが,それをより直接的な「延命効果」になったことは抗がん剤開発における精度を,上げていくことにつながると思う。

101●  がんになった人々は,きっとすがるような思いでイレッサを服用していたのではないでしょうか。それなのに彼らの期待を裏切るように次々と副作用によって被害が出て死亡していまった方々が大勢いるなんて,とても残酷なことであると思います。厚労省の煮え切らないような態度も何だか許せません。そのような危険な薬を販売したらアストラゼネカ社にも,使用を認め現状を黙認しているだけの国にも,責任をきちんと感じて欲しいです。

102  薬害の問題に今回触れることができてよかった。その上で思うことは,被害者に対する意識が,国にも製薬会社にも,そして僕たちにも少ないということではないでしょうか。 

103  娘の死は無駄ではなかったという言葉がすごく心に響きました。娘さんの死をむだにしたくないためにも,私たちはイレッサについての正しい知識を知って広める必要があると感じました。

104  イレッサに関しては以前ニュースでみた程度で,自分には幸い全く関わりはなかったので,今まであまり深く考えずにいました。しかし,今日のゲストの近澤さんは大切な娘さんを亡くされてしまったということで,実際にそういった方のお話しを聞き,改めてこの問題についてしっかりと考えさせられました。

105  イレッサについてはあまり知らなかった。なので今日の授業でその事実を知って,許せないなと思った。私の祖父もガンで死んでしまった。私もそんな夢の薬だと大きく持ち上げられていれば,祖父を助けるために使用したいと思ってしまったと思う。モルヒネについてはとても難しい問題で,私自身はっきりとした考えは分からない。今後,イレッサのようなことが二度とおきないでほしい。

106  どうして厚生労働省はそこまでイレッサを早期に承認し,取りやめをしないのか。企業とつながっているのでしょうか。お金ですか? とても気になります。ガン患者の方は,自分で情報をさがさなければならず,しかもお医者さんも頼りにできないとなるとすごく困ってしまうのは当然で,そこをついてイレッサの情報を流すなんて,こわいと思いました。思うことは,患者さん本位に立って考えて欲しいということです。安心して治せるように,日々を暮らせるようにできたらほんとうにうれしいです。 

107  近澤さんの訴えを聞いて,今回の問題の深さ,重要性を強く感じた。絶対に解決したい問題だけれど,あまりに問題が大きすぎてどうしたらよいのか分からなくなった。これまでに取り上げられてきた様々な人権問題に通じる部分があり,それに情報化社会の問題も加わっている。今後,このようなことが起こらない社会になるのなら,あらゆる人権問題が解決できると思う。ものすごく難しく,時間のかかることだけれど,一歩一歩進んでいくしかない。 

108  どうして,普通ならば一年以上かかるという承認を,5ヵ月ですませてしまったのか,どうして副作用が起こることに気がつかなかったのか,非常に疑問に思う。ネズミに対する実験で危険が発見された以上,人体に対しての危険を考えなければならないのは当然のことなのではないだろうか。薬を承認する段階で,安全性よりも重視すべき事情などあってはならないのに,それがあったのではないかと思った。 

109  近澤さんの話しを聞いて,現代のガン治療というものの現状を初めて知りました。抗がん剤の種類の少なさや日本のガン治療の研究の遅れにはすごくおどろきました。また,ビデオに出てきた,厚生労働省の人のお話しには怒りを感じました。なぜ有効性が確認されない薬を承認し続けているのか,副作用の危険性があると言うことをきちんと説明しないのか,日本の厚生労働省に対する疑問がわいてきました。これ以上苦しむ患者さんが増えないよう,厚生労働省やアストラゼネカ社はきちんと責任を追及してほしいと思いました。

110  ガン患者とは,医療的に弱い立場に置かれている。現在の日本で使用されている抗がん剤の一割程度しか承認されていなく,がん患者はわらにもすがる思いで抗がん剤を使用しているのである。このことをふまえ,製薬会社は正確な薬についての情報を示す義務がある,製薬会社は利益を優先して,薬についての誤った広告はしてはならない。もし,副作用の被害報告が出た時点で速やかな対策と正確な情報の開示,医療機関への情報提供を行うべきである。人命を実験に利用してはならないという絶対的な考えを製薬会社は常に持つべきである。

111  普段私は,病気のことをよく考えないし,あまり関係のないことだと思っていたが,今日の話しを聞いて,薬害問題ということを深刻に考えた。余命限られた患者に対しての製薬会社,厚労省の対応は信じられないものだった。1日1日を大切に考えているというのに,製薬会社などは,一人一人の患者を全くといっていいほど見ていないと思った。そして,こうした問題に無知であった自分が恥ずかしい。

112  何がアストラゼネカ社に販売を急がせたのか。信用を失う可能性よりも目先の利益を優先させがちなのが人間なのだろうか。メディアリテラシーの重要性を感じた。最期に安楽死についての疑問を提供してくれたのは,今現在の自分の考えと向き合おうとする良い機会となった。

113  イレッサという名前は聞いたことがあったが,どういうものか,今日のお話しを聞いて知った。インターネット上では「夢の薬」や「副作用が少ない」など,イレッサを飲みたくなるような言葉が出ていたことが残念である。実際「延命効果」が確認されていないのに,世の中に流れてしまったことは怒りを覚える。正確な情報が何か分からなくなるようなこの事件。何を信用していいのか分からない。命にかかわることは,たとえ時間がかかったとしても,死者を多く出さないように信頼できる薬を出して欲しい。一体,どの情報を信じてよいのか,疑いの絶えない社会であることを実感した授業だった。

114  今日の授業の講義を聞いて,薬を飲んで死んでしまうなんてとても怖いと思いました。病気になった人はただ治したい一心で薬を飲んだのに,結果的にだまされたということは,きわめていかんだと思います。金もうけのために多くの人の命を犠牲にしたアストラゼネカ社はとても許せません。もう二度とこんなこと起こしてほしくありません。

115  今日の薬害イレッサの話しを聞いて,とても心が痛みました。誰もが病気になったら治してまた元気になりたいと思うのは当たり前だと思います。しかし,この薬害イレッサの事件のように「100%治りますよ」とか「夢の新薬ですよ」と医学雑誌などで大規模に広告をしたら誰もがわらにもすがる思いで信じてしまうと思います。実際に服用して亡くなった人も多くいるのに,その服用者数も明確に分かっていなかったアストラゼネカ社は,本当に多くの信用をこの事件で失ったと思いますが,当然の結果ですね。この世に100%確かなものなんてないんだということを痛感しました。

116  今回の講義の内容は,とても共感できるところが多かった。また,自分の知らなかった医療現場の実態が聞けたので,いろいろと考えさせられた。抗がん剤の救世主として非常に大々的に宣伝され,その広告を見て服用したが,いざ副作用として死亡者がでると,そういったデータは存在しない,とする医療現場の対応に憤りを感じた。今でも広告がホームページ上に掲載されていると聞いて,これ以上被害者が増えて欲しくないと思う。少しでもこの訴訟が影響を与えて欲しいと思った。

117
日本という国はとことんまで企業よりの政策をとるのだなと思いました。命と儲けを天秤にかけるなんてやってはいけないことのはずなのに,かけるばかりか儲けの方が勝ってしまっているとは。昨年末に友人の父親が肺がんで亡くなられました。入院からわずか4日目のことだったそうです。薬害がないにしても衝撃的で悲しいことです。生きていてほしいと思うのは当然で,生きるために効く薬があるとすれば使ってみたいと思うのもまた当然のことと思います。イレッサ事件のように誤った情報,誤った対策がこれ以上の悲劇を生まないことを望みます。 

118  「がん」という病名はとても重いと思う。それは死亡率が高いことが理由に挙げられる。私の祖父が以前がんになった時,私たちをおそったのは,とらえようのない不安と絶望だった。幸い祖父は今は元気に生活しているが,その不安はどれほどのものだったのだろうと思う。「がん患者にとって,がん細胞だけを殺す薬」というのはものすごく強い希望に見えただろう。がんの不安の中で,さんざん「効く」と宣伝されたら,すぐにでも投与して欲しいと思うだろう。その薬が効かなかった,もしくは死亡を早めただけのものだったらその悔しさははかりしれない。イレッサに関して情報は少ないというが,私もホームページを見て少しでも知識を深めたいと思う。がんは決して人事ではないのだから。

119  死んでいる人がいるのに薬を禁止しないという信じられないことが行われているのに驚きました。また,日本では使用されているということも。厚労省はなぜ動物実験での死亡例があるのに許可をしたんだろうと思いました。癒着があるのか・・・。

120  薬害の問題を余り身近に考えたことはなかったけれど,原告の方のお話しを聞きながら「もし自分がガンだったら」「もし家族が・・・」「もし大切な人が・・・」と想像したら,やはり大変な問題なのだなと思いました。病気を治す,改善する,また少しでも良い状態にするための薬なのに,それに危険があると考えると,とても怖ろしいです。

121
 私は今日,初めてこの薬害イレッサ訴訟を知った。承認前のマウス実験で危険性が明らかになっていたにもかかわらず,なぜ承認されてしまったのか,3度の第V相試験で延命効果が確認されていないにもかかわらず,なぜあんなに派手な宣伝をして消費者にでまわってしまったのか。国とアストラゼネカ社の行ったことは本当に許せないことだと思った。日本では,殺人は当然犯罪である。国とアストラゼネカ社のやってることは罰せられるべき犯罪行為だ,と思った。彼らの判断・行為の一つ一つが服用した患者さんの生死に直結しているのだ。  

122  こんなにたくさんの人が死ぬ前に,もっと何かできたのではないかと,むなしく思いました。マウス実験で危険性があったり,イレッサを使って死亡の報告もされていたのに,何故そのままに使い続けたのだろうかと思いました。わたしたちは,患者は与えられた薬を信じて飲むしかありません。薬を作る仕事も命が関わってくる大変な仕事なんだなと,確認できました。

123  製薬会社が掲示板で嘘とも言える情報を流し,それを信じて薬を買った人々に対して責任を取らないということは本当に許せないと思う。自分の祖母も一昨年,肝癌になって入院したが,今日近澤さんのお話しを聞いて,確かに90日くらいで退院した気がした。祖母は去年の年末にまた体調を崩し,再び入院したので,もしかしたらあまり良くなっていなかったのかも知れない。日本の医療制度にも疑問を感じた。

124  イレッサという薬の名前は今日はじめて聞いた。副作用が少ないどころか重大な副作用を引き起こすという。抗がん剤の効果は知っていたがイレッサは,宣伝効果などとあまりに違いすぎる程の効果だ。日本でも多くの被害が発生しているので許されるべきではない。近澤さんの話しも非常に興味深かった。ぜひあきらめないでがんばってほしいです。

125  アストラゼネカ社のずさんな製薬,なぜ「有効性」の欠如,重大な副作用があるにも関わらず,それを厚生労働省に申請したのだろうか。またイレッサを承認した厚生労働省にも大きな責任があると思った。また,日本の医療制度についても疑問に思った。医師免許をとればだれでもガン治療ができることに驚いた。 

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